2011年11月28日月曜日

hangover


Illustrated by Kazuhiro Kawakita

hangoverは「二日酔い」。カタカナ読みは「ハンゴーヴァー」。語源はhang (ぶら下がる)とoverで「決着せずに続いている」という意味だが、持続するのはafter-effects of drinking too much(飲みすぎた後の影響)。朝まで続くことが多いからmorning afterともいう。日本語の「二日酔い」と違って、「残った悪影響」という意味で比喩的にも使う。
今も世界中でひしひしと感じられるのが、“Wall Street’s hangover”(ウォール街の〝二日酔い〟)。つまり、マネーゲームの末に招いた金融危機による悪影響だ。これを最初に指摘したのは、何とブッシュ前大統領。危機が表面化し始める2008年7月、共和党の資金集めのパーティーで、“Wall Street got drunk and now it’s got a hangover.”(ウォール街は酔っ払って、今や二日酔いだ=2008年7月24日付の英・インディペンダント)と内々に語ったという。ブッシュ氏は、米経済のバブルが弾けて不況に陥ることを知らされていた。その上で、“The question is how long will it sober up.”(問題は、醒めるのにどれだけ掛かるかだ)と言っているのが、心憎い。
だが、前大統領がそんな調子だから、共和党は民主党に議会の多数派を譲り、オバマ大統領に政権を追われた。そして、共和党にとって今も深刻なのが、“The Bush Hangover”(ブッシュ政権の〝二日酔い〟)。以後は、景気刺激策をはじめオバマ政権が打ち出す政策には、何でも反対の野党に成り下がり、ついにペンシルベニア州の共和党ベテラン上院議員のアーレン・スペクター氏が民主党にswitch(くら替え)する始末。タイム誌(2009年5月18日号)は、“Is the Party Over?”(党の終わりか)との記事を掲載した。大統領選挙でジョン・マケイン候補が敗北して以来、共和党はリーダーシップを取る者がなく、政治を刷新する力を失っている。“Most of this is just a hangover from the Bush years. Time heals all wounds.”(このほとんどは、ブッシュ時代の悪影響だ。時が傷をいやすだろう)と関係者はつぶやく。(注:住宅バブルの崩壊で手傷を負った金融機関は、公的資金の投入で息を吹き返したが、米経済はどん底の低迷からいまだに立ち直ることはできない。その意味では、hangoverは今なお続いているといえるのだ) 
ところで、実際の“How to Cure a Hangover”(二日酔いの治し方)。まず、第1に“sleep”(眠る)。“Rest is your best friend.”(休息は最高の友)であり、疲労回復の最適な手段だ。第2に、“take a shower”(シャワーを浴びる)。これは、刺激療法の一つで、水とお湯を交互に浴びると効果的。第3に“drink water”(水を飲む)。これは水分補給。そして、第4に、“get some exercise”(運動をする)。つまり、汗を流すまで動けば、次第に力はよみがえって来る…。
だが、二日酔いになる前に手をうつに越したことはない。つまりは酒の飲み方。“Drink the first. Sip the second slowly. Skip the third.”(1杯目を飲む。2杯目はちびちび飲む。3杯目は避ける)。何事もほどほどに、という教訓である。The Sankei Shimbun (June 29 2009)