2011年12月7日水曜日

grandparents scam


Illustrated by Kazuhiro Kawakita


 grandparentsは「祖父母」。scamは「詐欺」。そこで、grandparents scamは「おじいさんやおばあさんを狙った詐欺」となる。お年寄りに対して、あんたの孫だ、などと偽って電話をかけて送金を要求するという、日本の「振り込め詐欺」と全く同じ手口。カタカナ読みは「グランドペアレンツ・スカム」。
 アイオワ州のトム・ミラー司法長官は2008年12月、同州でgrandparents scamが頻発していることで警戒を呼びかけた。その被害例として“A southwest Iowa grandmother lost $2,900 to the scam last week.”(先週、アイオワ州南西部に住むおばあさんが詐欺に引っかかって2900㌦を失った)という。“She got a call purporting to be her grandson, who said he was in trouble with the law and asked ‘Gramma’ to send money.”(孫と称する男から電話がかかり、「法に触れることをしてしまった。おばあちゃんカネを送ってくれ」と言ってきた)。そこで、“She wired the money to Canada. It was a hoax.”(彼女はカナダに送金した。それは詐欺だった)と紹介している。ミラー氏は、「こうした詐欺の電話が最近アイオワ州で急増し、だまされる人が続出している」と警告した。
 実は、アイオワ州だけでなく、grandparents scamは全米で問題になっており、とくに、カナダから詐欺の電話がかかって、越境の送金を要求するケースが多いという。昨年の春以降、各州の司法長官やFBI(連邦捜査局)の支部も相次いで警戒を呼びかけている。
 興味深いのは、詐欺の電話のやりとり。“It’s your grandson.”(あんたの孫だよ)とか“It’s me.”(オレだよ)とか、詐欺師が曖昧な表現を使うのが特徴。“Is that you, Sam?”(お前、サムかい)などと問い返すや、“Yes, It’s Sam.”(うん、サムだ)と詐欺師は答え、様々な口実をもうけて送金を要求してくる。「振り込め詐欺」は、かつて「オレオレ詐欺」と呼ばれたが、そのやりとりと酷似する。「オレオレ詐欺」は、“It’s me! It’s me! Scam”と英訳されている。
  さて、grandparents scam は“granny scam”(おばあちゃんを狙った詐欺)とも呼ばれ、女性の被害者が多いのも特徴。ミズーリ州のジェイ・ニクソン司法長官は、“It attempts to play upon the love and generosity seniors have for their grandchildren.”(それは、お年寄りが孫に対して抱く愛情や寛容さに付け込むもの)で、“It does nothing more than take away the hard-earned savings they can not afford to lose.”(彼らが汗水たらして貯めた虎の子の金をむしり取る以外の何物でもない)と述べている。
 詐欺対策を呼びかけるScambusters.orgによると、この種の詐欺は日本を筆頭にニュージーランドやイギリスでも被害が報告されており、世界を席巻し始めている。The Sankei Shimbun (March 16 2009)
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