2011年11月30日水曜日

flaming


Illustrated by Kazuhiro Kawakita

flameは「炎」(名詞)で、「燃える」あるいは「カッカする」という動詞としても使う。だが、コンピューター関連の俗語では、インターネット上などで侮辱、挑発する行為を指す。その結果、起こるのがflame war(非難の応酬)で、無用の論争に発展するのがflaming。いわゆる、日本語でもネットの流行語になった「炎上」である。カタカナ読みは「フレイミング」。
日本では、ブログに挑発的なメッセージが掲示され、反発するコメントが殺到する現象が目立つ。 わざと挑発的なメッセージを送ることをtroll(トロール)という。元の意味は「流し釣り」だが、挑発に乗ってくる者を探す目的で行なわれる。これは確信犯である。
flameは1960 年代に学生俗語として登場。ランダムハウス米俗語歴史辞典によると、1968年には、酒を飲んでわめき散らすことを意味した。電子メールやオンライン・フォーラムが本格的に普及し始めた1990年代から、ネット上でflamingが問題になる。ハイテク難語辞典Jargon File 4.2.0は、flame(動詞)を“to post an e-mail message intended to insult and provoke”(侮辱や挑発をする電子メールを送ること)と定義している。
ところで、電子メール、あるいはデジタル・メッセージは、本人が挑発を意図したわけではなくても、誤解される場合が多々ある。
シカゴ大学のニコラス・イプレイ教授(行動心理学)らは、2004年に“When what you type isn’t what they read: The perseverance of stereotypes and expectancies over e-mail”(あなたが書いたものが、その通り読まれるとは限らない時:電子メールをめぐる根強い固定観念と期待の影響)と題する論文を発表した。
たとえば、“Don’t work too hard.”(あまり働きすぎるなよ)というメールが今朝同僚から届いたとする。このメッセージは「真面目」なのか、「皮肉」なのか。同僚がいつも〝皮肉屋〟だったら、「あまり、要らんことをして迷惑をかけるなよ」と、イヤミに受け取られる場合がある。面と向かっての会話ならば、相手の表情や態度から言葉のニュアンスを誤ることは少ないが、唐突なテキストのメッセージでは、むしろこちらの固定観念や期待に左右されて誤解を招きやすい。これが、flame war の原因の1つであるという。
さらに、ネット上では、匿名が横行しているから、面と向かえば決して言えないような悪口にもブレーキが掛からなくなり、頭に血がのぼると言いたい放題になりやすい。そんな場合には、誰かが声を掛けて沈静化を図る必要がある、とJargon File 4.2.0は述べる。“Now you’re just flaming.”(お前ら燃え上がっているだけだ)とか“Stop all that flamage!”(「炎上」を止めろ)。つまり、ネットのfirefighter(消防士)の出番だ。The sankei Shimbun (May 18 2009)

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