2012年3月19日月曜日

text talk


Illustrated by Kazuhiro Kawakita

 textはコンピューター用語のテキスト・ファイルを指し、動詞では「ケータイメールする」という意味。そこで交わされる言葉が“text talk”。つまり、「ケータイ語」。カタカナ読みは「テクスト・トーク」。また、インターネットのチャットでも使われるからchatspeak(チャット・スピーク)とも呼ぶ。
 textingの大流行にともないtext talkが議論の的になっている。ボストン・グローブ(2008年6月16日付)は、“Is language dead or evolving?”(言葉の死か、あるいは進化か)という見出しで、text talkが正統な英語に及ぼす影響についての賛否を紹介している。
 英語のケータイ語は、省略形に特徴がある。携帯電話のtext messageはSMS(Short Message Service)と呼ばれるサービスで送受信されるが、メッセージは短いほど料金は安い。しかも、早く打てるから、言葉はできるだけ短縮されるというわけ。たとえば、よく使われるのが“LOL”。これは“laugh out loud”のそれぞれの単語の頭文字をとった略号で、「大笑いする」という意味。日本語で、会話体の文章の後に(笑)とか「ハハハ」とか付けるのと同じ。
このほかにも、“Thanks.”(ありがとう)は“THX”。“Oh my God!”(おや、まあ)は“OMG”。さらに、see(見る、会う)はアルファベットのcの1字で表現する。youはuとなる。ateは数字の8(eightと発音が同じ)。だから、later(後に)は“l8r”と書ける。そこで、“cul8r”は“See you later.”(じゃ、またね)。“I love you.”(愛している)は、“i luv u”、または“ily”と書く人もいる。ちなみに、text talkは“txt tlk”と略される。
 こうしたtxt tlkは、〝ケータイ世代〟である10代の若者を中心に生み出されているが、今やケータイメールに止まらず、日常生活にまで波及している。とくに、学校の作文や宿題にtxt tlkで書く生徒が相次ぎ、年輩の教師が困惑するという事態を引き起こしている。正統英語を擁護する文法学者(多くは年寄り)は、これを敵視、“They worry that a language apocalypse is approaching, triggered by a new wave of technological pidgin.”(ハイテクが生んだ〝ゲテモノ英語〟の流行が引き金になって、言葉の〝終末〟がやってくるのを恐れている)という。一方、カナダ・トロント大学の言語学者らが最近、市内の71人の10代について調査した結果は、txt tlkに肯定的。「言語は変化するもの」と考えれば、“language renaissance”(言葉のルネッサンス)と評価できるという。
 さて、どちらに軍配を上げるかは別にして、知っているに越したことはない。“if u cn rEd ths, ur doin gr8.”すなわち、“If you can read this, you are doing great.”(もし、こいつを読むことができるなら、あんたはエライ)。The Sankei shimbun(July 6 2008)「グローバル・English」はこちらへ