2012年3月11日日曜日

culprit




カタカナ読みは「カルプリット」だが、「ル」はlだから、「カウプリット」と読むと、少しは英語らしく聞こえる。意味はズバリ「犯人」。刑事事件の犯人だけでなく、悪い出来事の原因について、比喩的に「犯人」という場合にも使う。
米国で2008年4月以降、懸命に「犯人探し」(tracking down culprit)が続いたのが“Salmonella search”(サルモネラ中毒の調査)。1200人以上の感染者が出て、FDA(米食品医薬品局)も対応に苦慮した。ワシントンポスト(2008年7月21日付)は、“Peppers Picked as Salmonella Culprit”(ペッパーがサルモネラ中毒の犯人に浮上)と報じた。このペッパーとは激辛のハラペーニョのことで、メキシコからの輸入品にサルモネラ菌の汚染が見つかったという。メキシコ料理の薬味の1つで、とくにサルサには欠かせない。その前に“culprit”にされたのが、これもサルサの材料になるトマト。ちょうど、4日前に、“The FDA gave the all-clear signal for fresh tomatoes.”(FDAは生トマトについては無罪放免した)。だが、トマトが犯人にされて以来、トマト生産者らの被害は“$100 million”(100億円以上)に上るといい、彼らにとっては後になって大丈夫だといわれても、“The damage is done.”(後の祭り)。
それでは、“the real culprit”(真犯人)はハラペーニョに間違いなのか?CDC(米疾病対策センター)は、なお「原因不明」であるが、“They recommend avoiding these peppers until they can pinpoint the main carrier.”(主な媒介が特定できるまで、これらのペッパーを避けるように警告している)という。つまり、ハラペーニョも“the latest possible culprit”(最新の犯人の可能性)に過ぎない。犯人探しに振り回される農家やメキシコ料理店には、殺生な話だ。
さて、VOA(ボイス・オブ・アメリカ)は2008年7月8日、石油の代替燃料として注目を集めてきたbiofuels(バイオ燃料)について“Savior or Culprit- Debate Goes On”(救世主か悪者か、議論が続いている)と報じた。つまり、石油価格が高騰する中で、トウモロコシやサトウキビから造られたエタノールなどを〝救世主〟と持ち上げて、各国でどんどん生産を続けた結果、今度は世界的に穀物価格が上昇。biofuelsはその〝犯人〟にされてしまった。ウォールストリート・ジャーナル(同7月14日付)は、“Ethanol: The Battle Continues”(エタノール:戦いは続く)との記事で、“Ethanol already is a culprit in the food-versus-fuel polemic.”(エタノールは今や食糧vs燃料論争の〝やり玉〟)と述べている。
culpritの語源は17世紀で、ラテン語由来のculpable(有罪の)とprest(準備ができる)が合体した言葉。裁判の初めに「有罪の証明の準備はできた」と、検察が発した言葉に始まるという。有罪の立証は、まさにこれからなのである。The Sankei Shimbun (August 3 2008)