2012年3月25日日曜日

celeb

Illustrated by Kazuhiro Kawakita


celebは日本語でも「セレブ」。マスメディアをにぎわす有名人のことでcelebrity(カタカナ読みで「セレブリティ」)の略。名前が知れ渡るからbig name(ビッグネーム)などとも呼ぶ。
Hollywood celeb gossip (ハリウッドのセレブ・ゴシップ)は、ドル箱ニュース。2008年5月15日のNBC放送で流れたのが、“Jolie expecting twins”(ジョリーが双子を妊娠)というもの。ジョリーはもちろん、アメリカで最もsexy and hotな女優アンジェリーナ・ジョリー。双子を無事出産すれば、男優ブラッド・ピットとの第5・6子になる。ジョリーは「Mr.&Mrs.スミス」(2005年)でピットと共演後に同棲。女の子を出産したほか、カンボジア、エチオピア、ベトナム生まれの3人の子供をJolie-Pitt のlast nameで養子にしている。
妊娠しただけでマスコミが騒ぐのが、celebたるゆえん。コトがcelebrity hookup and breakup rumors(セレブの〝くっついた〟〝離れた〟のうわさ)となると、もっと騒ぎは大きくなる。ゴシップ雑誌は飛ぶように売れ、Tシャツから香水まで〝セレブ商品〟は引っ張りダコ。ついでにギャラも上がるから、恋愛も破局も仕事のうち。結局“Celebrities are marketing products.”(セレブはマーケティングの産物)である。
オックスフォード英語辞書(OED)によると、celebrityが「有名人」の意味で最初に使われたのは1839年、ヴィクトリア時代の英国社交界である。現代のセレブは、マスメディアに乗って登場、さらにインターネットで身近な存在となる。とくに、セレブのブログはceleblog(セレブログ)と呼ばれて大流行。“We might never meet them face to face but, in the virtual world, rubbing shoulders with the rich and famous is easy.”(面と向かって会えないけれど、バーチャル世界では、金持ち・有名人と肩寄せ合うのも簡単)というわけ。
そうした影響で、Celebrity Worship Syndrome(CWS=セレブ崇拝症候群)と呼ばれる、有名人に対する一種の偏執的症状が21世紀に入って現れた。CWSは3段階に分けられる。まず、Entertainment social(社交上の楽しみ)は、セレブの話をするのが好き、という段階(これは普通)。次がIntense personal (個人的熱狂) 。“Brad Pitt is my soul mate.”(ブラッド・ピットは私の心の友)などと考える段階(考えるだけなら害はない)。そして、Borderline pathological(ほとんど病気)。“When he reads my love letters, Brad Pitt will leave Angelina Jolie and live happily ever after with me.”(私の愛の手紙を読んだら、ブラッド・ピットはアンジェリーナ・ジョリーを捨てて、私と末永く幸せに暮らす)などと考え、ストーカーになりかねない段階。ここまで来ると、“Are you serious?”(マジかよ)と言いたくなるが、こんな人が増えているのはアメリカだけではないようだ。The Sankei Shimbun(Jun 1 2008)