2013年5月3日金曜日

secularism 

Illustrated by Kazuhiro Kawakita


 secularはラテン語が語源でworldly(現世の、世俗的)という意味。13世紀ごろ、キリスト教の教会と対立する概念として登場。その後、一般的に「非宗教的な」という意味で使うようになった。接尾辞の-ismを付けて、secularismは「世俗主義」と訳される。とくに、政治の世界では、宗教の介入を認めない政教分離の立場をいう。
 トルコのトゥデイズ・ザマン(2011年9月18日付)は“Secularism for Arabs and Turks”(アラブ人とトルコ人にとっての世俗主義)と題する社説で、“Will the Arab Spring countries embrace secularism as described by the Turkish prime minister?”(アラブの春を迎えた国々は、トルコ首相が説くような世俗主義を受け入れられるか? )と疑問を投げかけた。トルコはイスラム教徒が国民の9割以上を占めるが、共和国になって以来、世俗主義をとって来た。エルドアン首相は、チュニジアやエジプトをこのほど歴訪し、新政府が民主主義を推し進めるためには、世俗主義をとるべきだと主張した。“He attributes secularism to the state, not the individual.”(彼は、世俗主義を個人ではなく国家に帰属すると考える)。つまり、宗教については個人の自由意思に任せる一方、国家の運営は非宗教的であるべきだとした。
 バチカンのカトリック・ニュースサービス(2011年9月18日付)は、“Church and state: Why can’t they be friends?”(教会と国家:なぜ仲良くできないのか? )との記事を掲載。その中で、“Pope Benedict XVI has made the dangers of secularism a major theme of his pontificate.”(ローマ法王ベネディクト16世は、世俗主義の危険を任期中の最大のテーマにあげた)と述べた。欧米諸国では、“The separation of church and state, which is a hallmark of a democracy, has also gone onto the separation of God and life unfortunately.”(政教分離は民主主義の特質だが、さらに不幸にも神と生活の分離にまで至った)と指摘している。
 May God be with you! (神があなたとともにありますように)

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