2012年3月19日月曜日

texting


Illustrated by Kazuhiro Kawakita

 textは「文章」や「教科書」のほかにコンピューター用語のテキストファイルを指す。これを動詞として使うと、〝テキストする〟といったニュアンスになる。日本語では「ケータイメールする」に当たる。
 携帯電話のメール送信は、to create and send text messages using a cell phone’s keypad(セル・フォンのキーパッドを使ってテキスト・メッセージを作って送ること)。これを簡略化してtext messagingという。“texting”は、これをさらに縮めた形。口語では短い表現の方が話しやすく好まれる。カタカナ読みは「テキスティング」。
 アメリカでもケータイメールはすっかり日常生活に入り込み、日本と同様にいろいろな問題が現れている。最も危険なのが“texting while driving”(運転中のメール)。最近の全米の調査によると、ドライバーの5人に1人が「運転中にメールを送受信したことがある」と回答。これが18歳から24歳のヤング層では、5人に3人を越えるという(US News and World Report)。ニューヨークでは2007年、高校卒業したての若者5人が乗る乗用車がトレーラーと正面衝突して全員死亡。乗用車を運転していた17歳の女子が、衝突の直前まで何度もメール送信していた記録が見つかった。こうした事故がきっかけで、運転中のメールを禁止する動きが昨年から全米に広がり始めた。
 もうひとつの問題が、“texting during class”(授業中のメール)。小中高校を問わず、授業中にメールする生徒と注意する教師の間で、イタチごっこが繰り広げられている。生徒側の言い分はこうだ。“I text in class because I’m bored and talking to my friends is more fun.”(授業中にメールするのは退屈だから。友達と話す方が楽しい)。各学校では授業中の“No texting”policy(「メール禁止」方針)を掲げるが、生徒の側は余計にスリルを感じるだけ。“My students are addicted to texting. They cannot stop.”(わたしの生徒はメール中毒。止めることができない)と教師の側もさじを投げる。
 業を煮やしたニューヨーク市では、ブルームバーグ市長が2005年秋に、1400以上ある公立学校で生徒のケータイ持ち込みを禁止した。ケータイはカンニングやいじめの温床にもなると指摘。違反した場合は、警察がケータイを没収するという厳しい措置で、かなり効果が見られた。
 ところが、今度は生徒の親が、「ケータイ持ち込みを禁止して、子供と連絡が取れないようにするのは、憲法違反だ」と訴訟を起こした。授業中のメールには親とのやり取りも結構あるのだ。結局、裁判所は4月下旬にケータイ禁止を支持したが、親たちは納まらない。子供と常に連絡が取れないと不安で仕方がないという。親の方も“Texting is a new addiction.”(ケータイメールは新たな〝中毒〟)である。The sankei Shimbun (Jun 29 2008)「グローバル・English」はこちらへ