2011年10月7日金曜日

third-hand smoke


Illustrated by Kazuhiro Kawakita

smokeは、「煙」だが、ここでは「喫煙」。喫煙による健康被害では、secondhand smoke(2次的喫煙)、つまり、他人が吸ったタバコの煙を周囲の人が吸わされる受動喫煙(passive smoking)がこれまで問題になってきたが、さらにその残滓にも有害物質が含まれるとして、残り香を吸うことがthird-hand smoke(3次的喫煙)と呼ばれ、リスクが指摘される。カタカナ読みは、「サードハンド・スモゥク」。
ニューヨーク・タイムズ(2009年1月3日付)は、“A New Cigarette Hazard: ‘Third-Hand Smoke’”(新たなタバコの危険性:3次的喫煙)で、ボストンのマスジェネラル小児病院などの医師らが、喫煙残滓に含まれる有害物質の乳幼児へのリスクを調査研究、その中でthird-hand smokeの新語がつくられた、と紹介している。
すなわち“Third-hand smoke is what one smells when a smoker gets in an elevator after going outside for a cigarette.”(3次的喫煙とは、タバコを吸いに外へ出た人がエレベーターに乗って来たときに、臭うものだ)と説明した上で、“Your nose isn’t lying. The stuff is so toxic that your brain is telling you: ‘Get away.’”(鼻はウソを言わない。残り香は毒性があるので、頭脳が「逃げろ」と告げているのだ)と述べている。
研究によると、3次的喫煙の有害物質には、シアン化水素、ブタン、トルエン、ヒ素、鉛、一酸化炭素、さらには放射性物質のポロニウム210まで含まれているという。“Eleven of the compounds are highly carcinogenic.”(化合物の11種は発がん性が高い)と指摘している。つまり、分煙をしたり、建物の外で喫煙したとしても、喫煙者がタバコの臭いをさせているだけで、有害物質をばらまいて歩くことになる、というわけ。
CBSニュース(2010年9月15日付)は、“Smokers Beware! Proposed New York City Smoking Ban Targets Outdoor Facilities”(喫煙者は要注意!ニューヨーク市が提示した新たな禁煙対象は、屋外施設)と報じた。市では、すでにレストランやバーでの喫煙が禁止されているが、ブルームバーグ市長は、公園やビーチ、歩行者専用区域でも禁煙を実施する計画という。その根拠はsecondhand smokeの危険性で、“The science is clear: prolonged exposure to secondhand smoke, whether you’re indoors or out, hurts your health.”(科学は明らかだ。室内、屋外にかかわらず副流煙に長くさらされると、健康を害する)と、市長は声明で述べている。
この論法で行くと、third-hand smokeは、まさに“Kissing a smoker is like licking an ashtray.”(喫煙者へのキスは、灰皿をなめるようなもの)ということになろう。アメリカの禁煙運動は、ここまで来ている。愛煙家にとっては、厳しい〝受難の時代〟が続く。タバコを止めるまで…。The Sankei Shimbun (October 4 2010)

U.S. hospital bans 'third-hand smoke'
Postmedia News October 5, 2011

Christus St. Frances Cabrini Hospital in Louisiana is banning third-hand smoke, which means no more smoke breaks for employees.

Read more: http://www.canada.com/health/hospital+bans+third+hand+smoke/5506229/story.html#ixzz1a4GqNxwj