2013年5月3日金曜日

swelter うだる暑さとは?

Illustrated by Kazuhiro Kawakita



 メリアム・ウエブスター辞典によると、to suffer, sweat, or be faint from heat(熱さに苦しみ、汗が出て、気が遠くなる)、あるいはto oppress with heat(熱さで押さえ付けられる)という動詞。つまり、swelterは「暑さでまいる」「うだるように暑い」と訳される。カタカナ読みは「スェルター」。
 欧米のメディアでもそれほど頻繁に使う言葉ではなかったが、2012年夏は溢れかえった。
 英国BBC(2012年7月3日付)は、“US storm-hit millions swelter in heatwave” (米国で暴風雨の被害にあった数百万人が熱波でまいる)と報じた。
 6月29日に東部地区を中心に暴風雨が襲って死傷者が出た上、数百万所帯が停電。その後首都ワシントンでも気温が40度を超え、各地で熱波が到来多くの人が熱中症で死亡したという。
 ワシントンポスト(7月4日付)は、“Shiver or swelter? The great debate between derecho hell and snowmageddon”、との記事を掲載した。この中で、derechoはスペイン語で、straight(真っ直ぐ)の意味で、ここでは雷雨をともなう激しい暴風雨をいう。Snowmageddonは、snow(雪)とArmageddon(ハルマゲドン)を組み合わせた造語で、「究極の豪雪」とでも言おうか。2009年ごろからheavy snowfall(どか雪)を表すのに使われ出した。そこで、「震えるのか、うだるのか?〝暴風雨の地獄〟と〝この世の終わりの豪雪〟とどちらがましか、大議論」というわけ。
 最近の暴風雨も熱波も豪雪も〝極端〟な事態になることがしばしば。どちらも身近に体験したメリーランド州の住民は、“Both heat and cold. Both are bad. It’s equal-opportunity badness.”(熱も寒さも、どちらも悪い。どちらも等しく悪い機会だ)と答えているのは、もっともである。
 だが、“Pride and Prejudice”(自負と偏見)を書いた英国の女流作家ジェーン・オースティンはこう言ったそうだ。“What dreadful hot weather we have!  It keeps me in a continual state of inelegance.”(何と恐ろしいほど暑い天気。このせいで、私はずっとみっともない状態のまま)