2013年5月3日金曜日

downgrade 身から出たサビじゃないか?

Illustrated by Kazuhiro Kawakita


 downgradeは文字通り、grade(等級や評価)をdown(下げる)ことで、「格下げする」「評価を下げる」。最近は、credit rating(信用格付け)の格下げがもっぱら話題だ。downgradeの反対がupgrade。「アップグレード」とカタカナ読みすると、コンピューター・ソフトの更新でおなじみ。
 米サンフランシスコ・クロニクル(2011年10月24日付)は、“The scary truth about downgrades”(格下げの恐ろしい真実)と報じた。ここでdowngradesは、名詞の複数形であることに注意。その1つが、“This year, for the first time in its history, the United States had its AAA rating downgraded by S&P.”(今年、史上初めて米国債の格付けは、スタンダード・アンド・プアーズによってトリプルAから引き下げられた)ということ。その衝撃は大きく、一時は世界同時株安の様相を呈した。さらに米国以外にも、ギリシャ、アイルランド、スペイン、イタリアなど欧州諸国の格付けが相次いで引き下げられたというわけ。
 今や先進国であっても財政破綻の可能性が浮上し、downgradeの〝嵐〟が吹き荒れるようになった。その影響は甚大で、経済の先行き不安から株価は暴落、失業は増加、その結果、さらに景気が低迷するという悪循環。米ドル、ユーロが売られて安くなり、その反動で予想外の円高を招く。downgradesは、世界経済にとって何1つよいことはないが、これも各国の放漫財政のゆえで〝身から出たサビ〟というべきであろう。
 格下げされた国のトップは、必ずといってよいほど格付け会社を非難する。米CNNは9月21日、“Berlusconi blasts Italy downgrade”(ベルルスコーニ首相がイタリアの格下げに怒りを爆発させる)と報道。だが、この国家の一大事を前に、未成年女性の買春疑惑にまみれるベルルスコーニ氏に対して、イタリア国民や他の欧州諸国の不信感は高まっている。英フィナンシャル・タイムズ(10月24日付)は、“Berlusconi faces the ultimate downgrade”(ベルルスコーニ首相は、究極の格下げに直面している)と述べた。