2012年12月24日月曜日

scrooge Merry Cliffmas なんか真っ平だ!

Illustrated by Kazuhiro Kawakita

 カタカナ読みは「スクルージ」。「守銭奴」「けちんぼ」などを指す名詞。語源は、英国の作家チャールズ・ディケンズが1843年のクリスマスに発表した名作“A Christmas Carol”(クリスマス・キャロル)の主人公で守銭奴のEbenezer Scrooge。
 米CNN(2012年12月1日付)は、“Obama warns of ‘Scrooge’ Christmas without tax-cut extension”(オバマ大統領は、減税の延長がなければ〝けちんぼ〟のクリスマスになるだろうと警告)と報じた。この発言は、米国が直面するfiscal cliff(財政の崖)を回避するため、野党共和党に協力を呼びかけたもの。
 〝財政の崖〟とは、2001年から始まったブッシュ減税が2012年末に失効し、さらに膨大な連邦財政を削減するために2013年1月1日から、自動的に歳出の削減が発効することを指す。それによって、財政は切り立った崖から転がり落ちるように〝均衡財政〟に向かう一方、財政支出で支えてきた景気が一緒に転がり落ちて、不況が一段と厳しくなると予想されているのだ。
 オバマ氏は、ペンシルベニア州内の玩具会社で演説。その内容は“If Congress does not extend soon-to-expire tax breaks for the middle-class, it will be like receiving a ‘lump of coal’ at Christmas.”(議会が間もなく期限切れとなる中産階級への減税措置を延長しないならば、クリスマスに石炭の塊を受け取るようなものだ)。a lump of coalは、かつて悪い子供にクリスマス・プレゼント代わりに与えたもので、とても惨めな “Scrooge Christmas”になるというわけ。まさに、Cliffmas(崖っぷちのクリスマス)か?
 英米では“Santa or Scrooge”(気前のいいサンタクロースか、けちんぼのスクルージか)と、よく言われる。『クリスマス・キャロル』はこの時期のエンターテインメントの定番で、小説だけでなく劇や映画でもおなじみ。もっとも、原作では守銭奴のスクルージは、クリスマス・イヴに超自然現象を体験して改心することになるのだが・・・。
 ところで、USA TODAY(2012年12月23日付)は、“Party on! Non-Christians don't Scrooge on Christmas fun”(パティーだよ。キリスト教徒じゃない人たちもクリスマスの楽しみをケチることはない)と述べている。
 “Although 27% of Americans have no religious tie to Christmas, many atheists, Jews, Muslims and Hindus are in full swing with Christmas trees, lights, gifts and more. Why Scrooge on joy?” (米国人の27%はクリスマスに宗教的な結びつきを持たない人たちだが、多くの無神論者、ユダヤ人、イスラム教徒やヒンドゥー教徒もクリスマスツリーを立てて、明かりを飾り、プレゼントをして目一杯楽しむ。なぜ喜びをケチることがあろうか?)