2011年1月24日月曜日

rampage


 rampageは、オックスフォード英語大辞典(OED)の定義は、“A state of excitement or violent passion; the act of behaving or rushing about in a reckless or riotous fashion” (興奮、または激情の状態;無茶苦茶に、暴動のように振る舞い、駆けまわること)。そこで、英和辞書では「暴れまわること」「狂暴な行為」などと訳される。カタカナ読みは「ランペイジ」。
 この言葉の最近の使い方は、前にshooting(発砲)を付けてshooting rampage。「銃乱射事件」などと訳される。今月8日にアリゾナ州トゥーソンで起きた銃乱射事件では、“Arizona shooting rampage” “Arizona rampage” また”Arizona shootings”の見出し語がメディア報道に踊った。事件は、ショッピングモールで対話集会を開いていた民主党のガブリエル・ギフォーズ下院議員が、突然男に頭部を撃たれ、その場に居合わせた6人が死亡、多数が負傷したというもの。
 ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、デイビッド・ブルック氏は“The Politicized Mind”(「政治化した心」=1月10日付)で、容疑者の男にはrampage killerとしての側面が見られる、と指摘した。これは、別名spree killer。spreeは「ばか騒ぎ」などと訳されるが、酒を飲んでの熱狂状態を指すことが多く、“a period or outburst of extreme activity”(極端な活動の時期、または噴出)という意味。それにkillerが付くと、英和辞典では「無差別殺人鬼」などの訳が当てられる。
 ブルック氏は、容疑者が犯行前にビデオ映像をインターネット上に投稿していたことを取り上げ、“These suggest that he was struggling to control his own mind.”(これらは、彼が自分の心をコントロールするのに苦しんでいたことを示している)と述べて、精神疾患の可能性を指摘している。このことは、犯行の動機に関連して、重要なポイントになってくる。
 ところで、FOXニュース(1月10日付)は“Arizona Rampage Reignites Gun Control Debate in D.C.”(アリゾナ銃乱射事件で、ワシントンでの銃規制論議が再燃)と報じた。その中で、撃たれたギフォーズ議員はpro-gun advocate(銃所持容認派)であり、銃所持は合衆国憲法で保障された権利であって、“It is a tradition which every law-abiding citizen should be able to enjoy.” (法律に従うすべての市民が享受できるはずの伝統である)と述べていたことを伝えた。
 実は、容疑者の男もアリゾナ州のバックグラウンド・チェックをパスして、合法的に銃を手に入れていたという。本当にこんなことでいいのか、という思いは、ほとんどのアメリカ人の胸中にあるが、議論になると、“Weapons don’t kill people. It’s the individual that killed these people.”(武器が人を殺すのではない。これらの人々を殺したのは、その個人だ)ということになる。The Sankai Shimbun

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