2013年2月20日水曜日

Peak people 頂点に達したら後は下り坂さ

Illustrated by Kazuhiro Kawakita



 peakは日本語でも「ピーク」、または「頂点」。peopleは「人々」だが、ここでは「人口」の意味で使う。そこで、peak peopleは「頂点に達した人口」。とくにworking-age people(就労年代人口)が最大になると、その後は少子化や食料、エネルギー不足の影響で減少の一途をたどるという。
 Peak peopleはpeak oil(ピーク・オイル)のアナロジーとして生まれた言葉。peak oilは、米国の地質学者マリオン・キング・ハバートが1956年に発表した米国内の石油生産に関する予測モデルで、生産量は1960年代後半から70年代前半にピークを迎えた後、減少に転じるとした。その後、予測通り1970年ごろピークとなり、再びその生産量を回復することはなかった。
 カナダのグローブ・アンド・メール(2012年2月11日付)は、“The world's losing its workers. How will we compete?”(世界は働き手を失っていく。われわれはどう対処するのか)と報じた。少子化は日本だけの問題ではなく、“Around the world, people are living longer and having far fewer children.” (世界中で人々は長生きするようになり、子供はどんどん少なくなっている)と述べる。その傾向はバングラディッシュやインドネシア、イランにも及び、人口減少への瀬戸際にあるという。“The world is on the threshold of what might be called ‘peak people’.”(世界はいわゆる〝ピーク・ピープル〟の玄関口にある)と指摘した。
 記事によると、現在世界人口の約11%が60歳を超えており、その割合は今後25年で倍増し、その内の6人に1人が80歳を超えるという。とくに、労働市場への影響は大きく、働き手の〝争奪戦〟が起こり、cheap labor(安価な労働力)は過去の物語になる。また、“Peak people will be an age when countries will be competing for immigrants rather than trying to limit them.”(ピーク・ピープルは、各国が移民を制限するよりも、競って受け入れる時代になるだろう)との〝ご託宣〟。移民を積極的に受け入れてきたカナダは、時代に一歩先んじているそうだ。

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