2013年2月23日土曜日

mademoiselle 「お嬢さん」などくそくらえ?

Illustrated by Kazuhiro Kawakita


 mademoiselleは、日本語でも「マドモアゼル」といい、「お嬢さん」と訳される。英語のmissに相当するフランス語の敬称。既婚女性に対するmadameと同様に英語では外来語となった。語尾のeが脱落して英語化しmadamは今も一般的に使われるが、mademoiselleは英語世界では誰もが知っている〝死語〟でとなった。
 米NPR(米公共ラジオ放送)は2011年9月29日、“French Feminists Say 'Non' To 'Mademoiselle'”(フランスのフェミニストが「マドモアゼル」にノン)と報じた。フランスの男女同権運動で今最大の障害がMademoiselleの呼び名であるという。たとえば就活でも、mademoiselleかmadameとかならず問われる。”My marital status is nobody’s business.”(私の婚姻状態が誰に関係があるのか)といいたくなるというわけ。
 女性解放運動の活動家は、"In old days, women went from the domination of their father to the domination of their husband. They were 'mademoiselle' when they were girls and 'madame' when they were married.”(かつて、女性は父親の支配から夫の支配へとゆだねられた。少女のときは「マドモワゼル」で、結婚すると「マダム」になる)と述べ、男性が生涯monsieur(ムッシュー)と呼ばれることを考えると、男性支配の観念は今も社会に根強いと指摘した。
 英ガーディアン(2011年9月30日付ブログ)は、“Does 'mademoiselle' matter? Yes, if you're a French feminist”(「マドモアゼル」は問題なのか?そう、フランスのフェミニストならば)の記事で、“The French debate comes a half a century after British feminists began chafing at being called Miss and started using Ms.”(このフランスの議論は、英国のフェミニストがMissと呼ばれるのにいら立って、Msを使い始めてから半世紀後のことだ)と指摘。だが、フランス語には英語のMs(MissとMrs.の混成語)に相当する言葉がないのが問題であるという。それだけに、フランスではmadame(おばさん)ばかりの社会が来るのか?