Supermanは「スーパーマン」。20世紀アメリカン・コミックのsuperhero。ラジオ、テレビに登場し、その後も繰り返し映画化されている。1950年代には、日本でもTVドラマで人気を博した。
その言葉の由来は、ドイツの哲学者フリードリッヒ・ニーチェの著書「ツァラトゥストラはかく語りき」に登場する“Übermensch”(超人)を、1903年に英作家のバーナード・ショーがsupermanと英訳したのが、はじまり。
それがいつか、「空を見ろ」「鳥だ」「飛行機だ」「あっ、スーパーマンだ」になった。これは英語の原文では、“Look! Up in the sky!” “It's a bird!” “It's a plane!” “It's Superman!”である。
オリジナルはジェリー・シーゲル原作、ジョー・シャスター作画で、1作目がDCコミックス誌に登場したのは1938年。崩壊間際のクリプトン星から地球に逃れてきた赤ん坊のカル・エルが、ケント家に拾われてクラーク・ケントとして成長。架空都市メトロポリスで新聞記者として働きながら、スーパーマンとして活躍する。
“Faster than a speeding bullet! More powerful than a locomotive! Able to leap tall buildings at a single bound!”(弾よりも速く、力は機関車よりも強く、高いビルもひとっ飛び)は、最初のキャッチフレーズ。後には、宇宙を飛び回ったり、時間の流れを逆転させたり、核爆発に耐えて生き残ったりというように、パワーアップされる。
Supermanに見られる、正義を愛し、弱者に味方し、高潔で献身的、責任感が強いという「正義の味方」の人物像は、1940年代に確立された。世のため人のため、supervillain(超悪漢)と闘うために超人的能力を使う。
この性格は、その後のsuperheroに踏襲される。DCコミックスが39年に売り出したのがBatman。億万長者の実業家ブルース・ウェインは、スーパーマンほどの超人的能力はないが、架空都市ゴッサム・シティーのunderworldの悪漢と闘う。また、マーベル・コミックスに62年に登場したSpidermanや翌年デビューのX-Menも、映画やビデオゲームの世界で超人的能力を発揮する。子供向けコミックスが持つ「勧善懲悪」の道徳観は古今東西共通のものだが、米国でSupermanの行動基準となったのは、ボーイスカウトの規範であるという。それは、アメリカの伝統的な価値観と深く結びついており、今も国民の間に広く根付いている。米政府は、その辺の人情の機微をよく心得ていて、事を構えるときにはいつも敵をsupervillainに見立てて国民を扇動する。冷戦時代の旧ソ連は“Evil empire”(悪の帝国)だったし、イラクのサダム・フセイン元大統領は「中東のヒットラー」。イラクのほか米国に反抗するイラン、北朝鮮は“Axis of evil”(悪の枢軸)。そして、米国の役回りは、常に「正義の味方」のsuperheroなのだ。The sankei Shimbun(August 13 2006)
PS:2012年10月23日、Superman quits The Daily Planet – over the state of journalismと報じられた。クラーク・ケントは今のジャーナリズムがもはや正義を求める報道に値しないとしてデイリー・プラネット社を退社することになった。
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