Illustrated by Kazuhiro Kawakita |
pet sitterは、petの飼い主が家を留守にした場合に、代わりに面倒を見る人をいう。カタカナ読みは「ペット・シッター」で、babysitter(子守)の連想から生まれた言葉であろう。ペットの種類によって、dog sitterとかcat sitterとかいう。アメリカン・ヘリテージ辞書によると、babysitterの初出は1937年であるが、pet sitterは21世紀に入って随所で見かけるようになった。
sitterは「座る人」の意味で、子守をする人が赤ちゃんのそばに座ったことからbabysitterというわけだが、petの場合は、そばに座っているだけでは仕事にならない。犬の場合、飼い主に代わって犬を散歩させる人をdog walkerと呼び、子供の小遣い稼ぎとしても人気がある。
だが、猫に首輪をつけて散歩させるのは至難の業。cat walkerにはほとんどお目にかかれない。なお、catwalkといえば、ファッションショーで客席に突き出した細長い舞台のこと。モデルが猫足立ちで歩く所だ。
cat sitterは、動詞にするとcat sit。プロが行うサービス内容は、indoor cat(室内で飼っている猫)の場合、1日2回のえさやりとlitter tray(砂のトイレ)の掃除。最近では生活習慣病にかかる猫も多く、糖尿病の場合にはインシュリンの投与も請け負う。
ペットを日中に専用の施設で預かるのは、pet daycare。一方、日本にも出現したペット専用のホテルや宿泊所は、すでに20年以上前から営業。ここでも犬には散歩や運動のメニューがあるが、猫は宿泊とえさやりだけのcat boarding。ただ、grooming(毛の手入れ)は犬猫ともに主要サービスの一つで、ブラッシングからシャンプー、カット、シェービングなど人間並みに扱われるのは、日本にあるペットの美容室と変わりはない。
アメリカの飼い犬の数は6000万匹以上、飼い猫はそれよりも多く7600万匹以上。アメリカ獣医学会(AVMA)の2001年の調査によると、35歳以下の一人暮らしの半数が、またルームメートのいる独身者の70%以上がペットを飼っているという。彼らは、ペットと過ごす幸福なひと時に癒しを求める。アメリカ人が1年間にペットに費やす金額は過去5年間で3割以上の伸びで、今や400億㌦市場に成長。animal loverは年々増加している。
そこで、ペットを飼うためのアドバイス。
“Don’t think your pet is a person in a fur coat.”(ペットを毛皮のコートを着た〝人〟と考えないこと)。“Don’t overcorrect your pet.”(過度にしつけようとしてはいけない)。かといって、“Don’t praise your dog unless he earns it.”(ちゃんと命令通りにできなけば褒めてはいけない)。要するに、“Do get down on the floor and communicate on an animal’s level.”(こちらが床にかがんで、動物のレベルで付き合うこと)。以上、“Words of Wisdom”(1989年)から。The Sankei Shimbun(September 3 2006)
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