Illustrated by Kazuhiro Kawakita |
“Savvy?”と訊かれたら“Savvy.”と答える。これが流行の表現。savvyは、ここでは「理解する」という意味の動詞。つまり、「分かったか?」と訊かれて「分かった」と答えたわけだ。発音は「サヴィ」で「サ」にアクセントを置く。オックスフォード英語辞書(OED)によると、1785年に西インド諸島のpidgin English(混成英語)として登場。フランス語の“Savez vous?”、あるいはスペイン語の“Sabe (usted)?”(いずれも“Do you know?”の意味)に由来するという。
西インド諸島海域を舞台にした海賊映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」(第1作=2003年)で、ジョニー・デップ扮するジャック・スパロウ船長がしばしば“Savvy?”というので、ついに子供たちまで真似するようになった。
「分かったか?」という意味の表現は、英語では“Do you understand?”か、もっとくだけて“Get it?”というのが日常会話での普通の言い方。なかには”Do I make myself clear?”などという嫌味たらしい表現もある。SF映画「マトリックス」(1999年)で、キアヌ・リーブス扮するコンピューター技師のアンダーソン氏が会社に遅刻した際、上司が叱責して、そう付け加えた。「私の言うことが分かるかね?」
さて、savvyは形容詞、名詞としても使われる。この場合の意味は少し違って、実際的な知識があるとか、物事に精通していることを指す。street wise(世知にたける)という言い方にも通じる。
「賢い消費者」を英訳すると、savvy consumer。米国銀行協会の消費者調査によると、銀行の各種手数料が高すぎるとヤリ玉に挙がるなかで、savvy consumersは「手数料が掛からないように遣り繰りしている」と指摘。手数料回避のためのknow howはsavvyというわけ。また、皆が損をしているときでもちゃっかり儲ける「賢い投資家」はsavvy investor。安い飛行機やホテルなどを探して計画する「賢い旅行」はsavvy travelという。
情報化社会では、tech-savvy(ハイテク通)がキーワード。USA TODAY(2006年8月16日付)の記事“Colleges Adapt to Tech-savvy New Students”(ハイテク通の新入生に対応を迫られる大学)によると、最近の新入生はノートパソコンやPDAも自由に使いこなすので、学校側も講義の録音をデジタル・ファイルにしてダウンロードできるサービスを提供、学生は時間があるときにiPodで講義を聴くという具合だ。
ABCニュース(同年8月11日付)によると、ホームレスの人たちでさえtech-savvyになることで、インターネットを通じて職探しやチャットをするなど「世間とのコンタクト」を取って生き残れるという。ゴミ箱に食べ残しを漁るだけでなく、捨てられたパソコンの部品を拾って自分で組み立てて使うホームレスも登場し始めた、とレポートしている。まさに「知は力なり」。“Savvy?”The Sankei Shimbun(September 17 2006)
Savvy ! LOL..
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