2015年9月10日木曜日

refugee, migrant, immigrantー 違いがわかる?


refugeeは「レフュージー」で、読み方は「ジー」にアクセントを置く。ヨーロッパで問題になっているのが、内戦で国が崩壊しているシリアからの refugee。日本語では「難民」と訳すが、元の語は refuge。shelter or protection from danger, trouble, etc.(危険や困難などからの避難や保護)で、それを求めて逃げて来た人が refugee である。つまり、助けを求めている人のこと。

ロイター通信(9月6日付)は、ローマ教皇フランシスコがバチカンから難民問題で全ヨーロッパの教区に呼びかけた、と報じた。その内容はこうだ。

“I appeal to the parishes, the religious communities, the monasteries and sanctuaries of all Europe to ... take in one family of refugees.”(全ヨーロッパの教区、宗教コミュニティ、修道院、教会に、…各々が難民の一家族を受け入れることを訴えます)

では、いくつぐらい教区があるのか?
“There are more than 25,000 parishes in Italy alone, and more than 12,000 in Germany.”(イタリアだけで2万5000以上の教区があり、ドイツは1万2000以上)だから、決して少ないものではない。

ところで、欧州の難民問題のニュースでよく目にするのが、migrant crisis。migrant は「マイグラント」(移民、または移民の)で、元型は migrate(マイグレイトと読む)という動詞。本来の意味は、go from one country, region, or place to another(一つの国、地域、場所から他に移る)。注意したいのは、migrant には政治的な意味は一切含まれていない、ということ。つまり、物理的に移動する人を指す。

よく似た語に、immigrant (イミグラントと読む)がある。これもやはり日本語では「移民」と訳されるが、頭に im(元の形はin)が付くと、「入り込む」という意味になり、定住という目的が加わる。すると、急に政治性を帯びてくるのだ。immigration law の手続きが絡んで、legal(適法)か illegal(違法)かとなり、各国で「移民排斥問題」が起こる。


だが、その根底にある nationality(国籍)は、the status of belonging to a particular nation(ある国に帰属するステータス)で、その国に生まれることによって vested interests(既得権益)となるが、絶対的なものではない。この世界は誰の持ち物でもないのだ。globalization が進む中で、refugees を legal immigrants として暖かく迎える気持ちは、すべての国の国民に求められている。

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