Illustrated by Kazuhiro Kawakita |
sexuallyは「性的に」という副詞。activeは「活動的な」「活発な」という形容詞で、軍事用語としては「現役兵の」という意味もある。sexually activeは「性的に活動的」で、カタカナ読みは「セクシュアリー・アクティブ」。よくセックスをするということだが、ハッキリそういうのが憚られる場合にこういう遠回しな言い方をする。weasel word(イタチ言葉、 ㌻)の1つと言える。
米国で大きな社会問題になっているのが、“sexually active teens”(性的に活発な10代)。その結果として、意図せず妊娠したり、性感染症(STD)にかかる子供たちが多いからだ。米疾病対策センター(CDC)は定期的に「10代の性」を調査しているが、そこではsexually activeを「過去3カ月以内にsexual intercourse(性交)をした」と定義している。2005年の高校生を対象とした調査では、9年生(日本の中学3年生に相当)の21.9%、10年生(同高校1年生)の29.2%、11年生(同2年生)の39.4%、12年生(同3年生)の49.4%-全体では33.9%、つまり、3人に1人がsexually activeだった。調査には「3カ月以前の性行為」は含まれていないから、〝経験者〟を加えるとさらに数は増えるという。
一方、シカゴ大学は、57歳から85歳の男女3005人にヒアリングした「中高年の性の実態調査」の結果を、医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(2007年8月23日付)に発表した。この世代に対する調査は〝羞恥心の壁〟が厚く、これまで難しかっただけに、今後高齢社会の性問題を考えるうえで貴重なデータであるという。ワシントン・ポスト(同日付)は“Elderly Staying Sexually Active”(年を取ってもまだまだ〝現役〟)、ニューヨーク・タイムズ(同)は“Many Found Sexually Active Into the 70s”(70代でも多くは〝お盛ん〟)と報じた。
この調査では、sexually activeを「過去12カ月以内に自主的にsexual contact(性交渉)を持った」と定義。調査結果では、57歳から64歳の73%、65歳から74歳の53%、75歳から85歳の26%がイエスと回答しており、その大半が「月に2、3回かそれ以上、性交渉がある」と述べている。
「高齢者の性」の障害になるのは、男性の場合erectile difficulties(勃起困難)が37%、女性の場合はlow desire(欲求低下)が43%などで、多くの高齢者が障害を乗り越えようと懸命の努力をしているという。“Sex is an important indicator of health.”(セックスは健康の重要なバロメーター)と言い、セックスの障害は往々にして糖尿病や感染症、がん、その他の健康状態悪化の〝徴候〟でもある、と研究者は指摘する。
“Life without sex might be safer, but it would be unbearably dull.”(セックスの無い人生はより安全かもしれないが、耐え難いくらい退屈だろう=H.L.メンケン)TheSankei Shimbun(September 16 2007)「グローバル・English」はこちらへ
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