Belviqはたぶん、カタカナ読みは「ベルヴィック」。FDA(米食品医薬品局)がこのほど認可したweight-loss pill(やせ薬)、anti-obesity pill(肥満防止薬)である。AP通信(6月27日付)は、Arena Pharmaceuticalが開発、the first new prescription drug for long-term weight loss to enter the U.S. market in over a decade.(長期にわたる減量のための初めての新しい処方薬として、
10年越しに米国市場に参入する)と報じた。
この薬は、generically(成分的には)lorcaserinという。It has serotonergic properties and acts as an anorectic.(セロトニン系属性を持ち、食欲を抑制する作用がある)。つまり、脳神経に働いて食欲を抑えるわけ。
臨床実験では、On average patients lost just 3 to 3.7 percent of their starting body weight over a year. (平均的患者で、始めて1年で体重の3から3.7%減量した)またAbout 47 percent of patients without diabetes lost at least 5 percent of their weight or more.(糖尿病のない47%の患者で少なくとも5%以上の減量をした)といい、 FDAは有効と判断した。
だが、脳神経薬だから、Side effects with the drug include depression, migraine and memory lapses.(薬の副作用として、鬱病、偏頭痛、記憶障害が含まれている)という。
こんな薬を飲んでまでやせなければならないのは、米国の肥満が危機的な状況にあるためだ。
ワシントンポスト(6月29日付)は、“No magic pill”(魔法の薬はない)という記事で、With one-third of the U.S. population overweight and another third obese, a lot of people out there are looking for a “magic pill” to make weight loss easier.(米国の人口の3分の1は体重過多で、もう3分の1は肥満、多くの人が楽して減量しようと魔法のクスリを探している)と皮肉った。
記事はこう続ける。 What Belviq may help with is controlling how much you eat. It activates a serotonin receptor in the brain that makes you feel full after eating less, so no more hunger pangs while trying to diet.(ベルヴィックの働きは、食べる量をコントロールする。脳内のセロトニン・レセプターに働きかけて、ちょっと食べても腹がふくれるように感じられ、ダイエット中に腹が減って死にそうだという感じはなくなる)という。
だが、The FDA refused to approve Belviq in 2010 because of concern over the growth of tumors in rats and the possibility of heart valve problems in humans.(FDAは2010年に、実験用のマウスに腫瘍ができたり、人間の心臓の弁に問題が生じる可能性があるとして、ベルヴィックの認可を拒絶した)と指摘している。
米政府は、国民の頭が少々おかしくなろうが、腫瘍ができようが、心臓病になろうが、肥満を撲滅しなければならないと固い決意をしているようだ。
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