2012年8月22日水曜日

gay wedding

Illustrated by Kazuhiro Kawakita


 gayは、厳密にはmale homosexual(男性の同性愛者)だが、同性愛者の総称でもある。weddingは「結婚式」。gay weddingは「同性愛者の結婚式」。カタカナ読みは「ゲイ・ウェディング」。
 米国では“Despite Laws, Gay Wedding Industry Booms”(法制度に関わらず、同性愛者のための結婚産業がブーム=2006年12月25日付AP通信)という。gay weddingも、カップルが指輪を交換したり、ウェディング・ケーキを切ったり、お祝いに来た人々に引き出物を配ったり、と男女の結婚式と内容は変わらない。カップルが同性愛者であるのが違いで、そのマーケットの規模は「10億ドルに達すると推定される」。
 gay weddingの前提となるのがgay marriage(同性愛者の結婚)。これはsame-sex marriage(同性婚)とも呼ばれ、20世紀後半から今日に至るまで、法的な処遇をめぐり世界的に議論が盛んだ。現在、ベルギー、カナダ、オランダ、南アフリカ、スペインの各国で、同性婚は法的に異性間の結婚と同等の権利が認められている。米国では2003年にマサチューセッツ州で認められ、それを受けて2004年5月17日から2006年11月9日まで8764組の同性婚カップルが誕生したという。2006年11月の中間選挙において、アリゾナ州では同性婚を禁止する州憲法改正案が米国で初めて住民投票で否決された。また、ニュージャージー、カリフォルニアなどの州では、法的な婚姻関係には至らないが、civil union(市民的結び付き)といった同性カップルの権利を認めている。
 一方、同性婚に反対する人も多く、その動きも活発化。中間選挙では、バージニアなど7州が“Marriage is a civil right that should be only allowed to opposite-sex couples.”(結婚は異性のカップルに限られた市民的権利)として同性婚を認めず、それまでと合わせて27州が禁止。同性婚に対する賛否は、世論を2分しているようだ。
同性婚が政治課題になった背景には、同性愛者のcoming out of the closet(「クローゼットから出る」が転じて、「同性愛者であることを公表する」)が進み、人権運動にまで発展したことが大きい。支持者たちは、「結婚は異性のカップルだけに限定されない人権である」と主張し、同性婚を“equal marriage”(同等結婚)と表現。また、男女が同等の権利を有する社会で、結婚という個人的な愛の選択について政府が規制する必要があるのか、と疑問を投げかける。
 この運動が、男女間の生殖の営みを結婚の中心と考えるキリスト教や保守派の伝統的価値観と真っ向から対立。キリスト教や保守派の反対者らは、「同性婚は聖書の教えに反するものだ」と批判し、同性愛を「異常な愛」、「間違った愛」と非難する。
gay marriageが人権運動として今後日本に波及するのか、あるいはgay weddingがトレンドとして先行するのか、注目されるところだ。The Sankei Shimbun (january 21 2007)