2011年1月18日火曜日

hacktivist


 hackerは日本語でも「ハッカー」。動詞はhackで、ネットワークや他のコンピューターに侵入して、プログラムやデータを破壊することを指す。それにactivist(活動家)が合わさって、hacktivist。「ハッカー活動家」などと訳される。カタカナ読みは「ハックティヴィスト」。
 英ガーディアン(2010年12月11日付)は、“WikiLeaks Backlash: The First Global Cyber War Has Begun, Claim Hackers”(ウィキリークスの巻き返し:第1次世界サイバー戦争が勃発、とハッカーが宣言)と報じた。自称“whistleblower organization”(内部告発組織)のWikiLeaksが米外交機密文書をインターネットで公開する中で、英国の捜査当局が創設者のジュリアン・アサーンジ氏を逮捕して以来、“The anonymous community of hacktivists takes to the cyber battlefields.”(ハッカー活動家らの匿名コミュニティがサイバー戦場に向かう)と述べている。
 ここでhacktivistとは何か、という疑問が出て来る。hackerとどんな違いがあるのか?
 “He is a self-styled defender of free speech, his weapon a laptop and his enemy the US corporations responsible for attacking the website WikiLeaks.” (ハッカー活動家は、言論の自由の自己流擁護者で、彼の武器はラップトップ・コンピューター、敵はウィキリークスの攻撃に責任のある米国企業である)という。つまり、ハッカーとの違いは、“言論の自由の擁護者”であるという点だ。
 アサーンジ氏の逮捕とともに、WikiLeaksのサイトがcyber attack(サイバー攻撃)に曝されて閉鎖に追い込まれた。hacktivistsは、これを米政府当局による言論の弾圧ととらえて、その報復として関係機関へのcyber attackを開始した。
 実際、米政府の要請を受けて、WikiLeaksとの取引停止を宣言した金融機関がハッキングされた。政府のインターネット・セキュリティのコンサルタントは、“The hackers attack from the shadows and they have no fear of retaliation.”(ハッカーたちは陰に隠れて攻撃するので、報復を恐れなくてすむ)と述べている。
 ところで、アサーンジ氏は今やhacktivistsのヒーロー的存在であるだけに、米政府関係者は名指しでcyber terrorist(サイバー・テロリスト)、high-tech terrorist(ハイテク・テロリスト)と非難し、WikiLeaksを潰したいと考えているようだ。だが、それも結局はいたちごっこ。WikiLeaksのmirror site(複製サイト)は増殖を続けている。
 米科学者のニコラス・ネグロポンテ氏は、こう指摘している。“This is just the beginning, the beginning of understanding that cyberspace has no limits, no boundaries.”(これは、まさに始まりだ。サイバー空間は限りがなく、境界がないということを理解する始まりなのだ)