2010年12月21日火曜日

refudiate


 refudiateのカタカナ読みは、おそらく「リフューディエイト」。おそらく、というのは新語だから、辞書にはまだ出ていない。
 この言葉は、サラ・ペイリン元アラスカ州知事の造語で、New Oxford American Dictionary(新オックスフォード米語辞典)の“the official 2010 word of the year”(2010年の公認単語)に選ばれた。それによると、refute(論破する、読み方はリフュート)とrepudiate(拒む、リピューディエイト)の合成語。reject(拒絶する)と大体同じ意味で使われるという。
 ペイリン氏は、2008年の大統領選挙で共和党の副大統領候補となり、その後も保守派の減税運動ティー・パーティーを通じて活動、米政界で今年もっとも注目を集めた。彼女は、2001年9・11中枢同時テロで破壊されたニューヨークの世界貿易センタービル跡地の近くに建設が予定されるイスラム教の礼拝所を含む文化施設に反対を表明。今年7月ツイッターで、“Ground Zero Mosque supporters: doesn’t it stab you in the heart, as it does ours throughout the heartland? Peaceful Muslims, pls refudiate.” (グランドゼロ・モスクの支持者たちへ。それは、わたしたちの中心部を突き刺すように、あなたの心を刺すことはないの?平和を愛するイスラム教徒へ、どうぞ拒絶して下さい)と書いたのが、大ヒットした。ここで、plsはpleaseの略である。
 クリスチャン・サイエンス・モニター(11月3日付)は、“Sarah Palin says election ‘refudiates’ Democrats. Yes, ‘refudiates.’”(サラ・ペイリンは、選挙は民主党を拒絶するというが、確かに、拒絶する)と報じた。彼女は、中間選挙で共和党が大勝した夜、ツイッターでこう述べた。“As always, proud to be American! Thanks, Commonsense Constitutional Conservatives, u didn’t sit down & shut up…u refudiated extreme left.”(いつもながら、アメリカ人であることを誇りに思う。良識ある憲法遵守の保守派のみなさん。あなた方は座して沈黙していなかった。あなた方は〝極左〟を拒絶した)。なお、uはyouのことである。
 ところで、refudiateの元になったrefuteの語源は、re-がback、futeはbeatで、「反撃する」。また、repudiateには、「離縁して足で蹴り出す」という意味もあるという。いずれも拒否を意味するが、その仕方が過激であるところがミソ。いかにも、ペイリン氏好みの新語だと言えそうだ。
 彼女は、さらにツイッターでrefudiateのほか、misunderestimate(ブッシュ前大統領の造語で、間違って過小評価する)、wee-wee’d up(オバマ大統領の造語だが、意味不明)を挙げて、“English is a living language. Shakespeare liked to coin new words too. Got to celebrate it! ” (英語は生きた言葉。シェイクスピアも新たな造語を好んだ。新語に祝福あれ!) と述べ、意気軒高だ。The Sankei Shimbun


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