2010年12月6日月曜日

Internet posting


 Internetは「インターネット」で、postingは、post(公表する、掲示する)の動名詞形。Internet postingは「インターネットへの掲示」。カタカナ読みは「インターネット・ポゥスティング」。
 今月初めに起きた沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を撮影したビデオ映像がインターネット上に流出した事件について、11月8日付AP通信は“Authorities launched a criminal investigation into the leak of a video of a collision between Japanese coast guard vessels and a Chinese fishing boat.”(当局は、日本の海上保安庁の船と中国漁船が衝突したビデオの〝漏えい〟の犯罪捜査に乗り出した)と報じた。ここでは、ビデオ流出を犯罪とみなしているから、leakという単語を使っている。けれども、客観的にビデオ流出の事実を記述する場合には、“the unofficial posting on YouTube ”(ユーチューブへの非公式の掲示=同日付ウォールストリート・ジャーナル)のように、postingを使っている。
 つまり、Internet postingの語は、それ自体には善悪の価値判断を含ない。leak(情報漏えい)になるのか、whistleblowing(内部告発)になるかは、別のことである。
 ニューヨーク・タイムズ(11月8日付)は、“Company Accused of Firing Over Facebook Post”(フェースブックの掲示をめぐる解雇で会社側を告発)と報じた中で、“The National Labor Relations Board has accused a company of illegally firing an employee after she criticized her supervisor on her Facebook page.”(全米労働関係委員会=NLRBは、女性従業員がフェースブックの自分のページで監督官を非難した後に、違法に解雇したとして、企業を告発した)と述べた。
 ここでpostは、Internet postingと同じ。記事は、女性従業員がフェースブックで上司を批判したことを〝中立〟の立場でとらえている点がミソ。フェースブックに上司の悪口をpostingすれば、従来の慣行では、それが解雇に相当するかは別にして、その行為は非難されるだろう。だが、NLRBの判断は、今回違っていた。委員会の法務顧問はAP通信(11月9日付)に対して、"It's the same as talking at the water cooler."(それは水飲み場での立ち話と同じ)と述べた上で、"The point is that employees have protection under the law to talk to each other about conditions at work."(重要な点は、従業員が職場の状態についてお互いに話し合うことが、法の下に保護されているということ)と指摘しているのだ。
 “Don’t wash your dirty laundry in public.”(汚い洗濯物は公で洗うな=内輪の恥を表にさらすな)という慣用表現が、英語世界でもこれまで生きてきた。だが、それでは汚れが落ちない、というのであれば、“Wash your dirty laundry in public!”。それも、やむを得ないか。The Sankei Shimbun

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