mastectomyの語源は、ギリシャ語のectomeがcutting(切除)、mastosが woman's breast(女性の胸)で「乳房切除術」。一般的に、乳がんにかかった女性ががんの治療のためにこの手術を受けて乳腺や乳房を切除する。カタカナ読みは「マステクトミー」。
mastectomyは一躍、世界中に知られる英単語の一つとなった。理由は、米女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが、自身の遺伝子を検査してもらった結果、乳がんを発症する確率が87%以上と非常に高いことを知って、予防措置として両方の乳房を切除したことを公にしたことによる。彼女の母親は2007年に56歳で乳がんと卵巣がんを発症して死亡、また叔母も乳がんで亡くなっているという。
父親で俳優のJon Voight氏はEntertainment Tonightのインタビューにこう答えた。”She's a very brave person and I love her deeply. I'm always going to be at her side. She handles herself very well. She says what she wants to say now."(彼女は大変勇敢な女性で、私は深く彼女を愛している。私はいつも彼女の味方だ。彼女はうまくやっている。今も言いたいことを言っている)
対称的なのは彼女のパートナーのブラッド・ピット。彼は病床のアンジェリーナに愛の手紙を読み上げて、大粒の涙を流していたという。
さて、She's a very brave person から思い出すのはAmazonである。Amazonはギリシャ神話に登場する伝説的な女人族で、英語ではthe Amazons。いわゆる「アマゾネス」はポルトガル・スペイン語(Amazonas)。その語源はfolk etymology によると、a- はwithout(ない)+ mazos はbreasts(乳房)で、「乳房がない」という意味だ。 これはthe story that the Amazons cut or burned off one breast so they could draw bowstrings more efficiently(アマゾン族の者は片方の乳房を切除したり、焼いたので、よりうまく弓が引けたとする話)に基づいているという。
戦争のために、乳房を切除することも辞さなかった勇猛果敢な女性たち。彼女らにとって、男はstallion(種馬)に過ぎなかったとも伝えられる。
ちなみに、医学用語ではMastectomyは切除部位によって名称が異なる。Radical Mastectomy(根治的乳房切除術)、Segmental Mastectomy(乳房扇状部分切除術)、Simple Mastectomy(全乳房切除術)、Subcutaneous Mastectomy(皮下乳房切除術)という。
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