2012年6月13日水曜日

provocative 女が仕掛ける そそる、を訳すと・・・



 provocativeの元の動詞はprovoke(刺激する、挑発する)。語源はラテン語のprovocareでpro-はforthでvocare はto call。つまり、「呼び起こす」。何を呼び起こすのか?sexual desireとなれば、女から男に仕掛ける。provocativeは「性的に挑発的な」tという意味。
 ニューヨークで今もっともprovocativeなのが、バルバドス出身の歌姫でモデルのリアーナ。英スターマガジン(6月12日付)には、”Rihanna gets pulses racing in New York!”(リアーナがニューヨークをどきどきさせるぜ)と出ていた。
 A naked picture of Barbadian Beauty Rihanna is sure to distract passers-by in Times Square.(バルバドスの美女リアーナのヌード写真がタイムズスクエアに登場、道行く人の気を引くのは確か)という。The provocative snap is to promote the pop-star's latest fragrance, Rebelle.(そそるスナップは、ポップスターの香水レベルのプロモーションでした)
 さて、ハリウッドゴシップ(4月24日付)によると、“Madonna's provocative smoking pic goes up for sale”(マドンナがタバコを吸う挑発的な写真が売りに出ている)。

 The provocative image was shot by fashion photographer Steven Meisel but was never included in her controversial 1992 book ‘Sex’(挑発のポーズはファッション写真家のステーヴン・マイセルが撮影したものだが、1992年に発売した話題の本「セックス」には含まれていなかった)。もっとも、撮影されたのは1990年で,今から22年前でした。
  一方、provocativeは、女性以外の意味で使う場合には、文字通りprovokeすることを指す。AFP通信(6月15日付)には、 The United States and South Korea called Thursday on North Korea to end "provocative behavior," but Secretary of State Hillary Clinton said young leader Kim Jong-Un still had a chance to change.(米国と韓国は木曜日に北朝鮮に「挑発行為」を止めるように求めた。しかし、ヒラリー・クリントン国務長官は若いリーダーの金正恩に変革の機会が残されていると述べた。
 ところで、動詞のprovokeが「性的に挑発する」という意味で使われたのは昔のことで、今は使わない。よく使われるのはarouse。ワインタイムズ(5月31日付)に“SEX THERAPIST LAUNCHES WINE TO “AROUSE””(セックスセラピストが、性欲をそそるワインを売り出す)と出ていた。
 American sex therapist and TV personality Dr. Ruth has launched a line of low-alcohol wines to help “relax” and “arouse” couples.(アメリカのセックス・セラピストでテレビでおなじみのルース博士は、カップルをリラックスさせその気にさせる低アルコールワインのシリーズを売り出した)という。どんなワインか?普通のワインはアルコールが13%程度だが、これは6%に控えたという。セックスレス解消に軽いワインで乾杯!


2012年6月12日火曜日

binge 一気飲みを英語に訳すと・・・



 カタカナ読みは「ビンジ」。オックスフォード英語辞典(OED)によると、初出は1854年, "drinking bout" (酒を飲んで騒ぐこと) 。動詞として "drink heavily, soak up alcohol;"(大酒を飲む)。転じて、「馬鹿騒ぎ」や「やり過ぎる」ことをいう。
 AP通信(7月8日付)は、“Obama, Romney are binging on fundraisers”(オバマとロムニーは、選挙資金集めに大騒ぎ)と報じた。11月の米大統領選挙を控え、Fundraising gluttony is in(資金のかき集めが始まった)。Gluttonyは「大食い」のことで、bingeが飲み食いに関係が深い言葉であるところから、洒落てみせた。
 “President Barack Obama and Republican rival Mitt Romney are on an unprecedented fundraising binge that shows no sign of ending.”(オバマ大統領と共和党候補のロムニーは、未曾有の金集めの馬鹿騒ぎをして、終わる兆しが見えない)。民主主義選挙の勝敗はカネをどれだけ集めるかにかかっている。その本質をぴたりと示した記事である。
 さて、LiveScience(5月22日付)によると、“Married Men Secretly Binge on Unhealthy Food”(既婚男性は隠れて不健康な食物を大食いしている)と報じた。
 “Women try to keep their husbands on a healthy food track, but many men will cheat on their diets when away from home, new research suggests.” (女房が夫に健康的な食生活すすめているのに、多くの男性は家を離れるとダイエットをごまかしてしまう、と新たな調査で分かった)。つまり、家では健康メニューだが、外食ではジャンキー・フードを食っているというわけ。
 ところで、日本語の「一気飲み」をどう訳すか?それに最も近いニュアンスの英語がbinge drinking(無茶飲み)。
 Wikipediaによると、binge drinkingについて、”One definition states that 5 drinks for men and 4 drinks for women must be consumed on one occasion at least once in a two week period for it to be classed as binge drinking.”(男は5杯、女は4杯を2週間に1度以上、1度の機会に飲み干すことをbinge drinkingとするのが、1つの定義である)。
 binge drinkingの後にはacute intoxicationやalcoholism(急性アルコール中毒)が待ち構えてい、その先には死が待っていることを心すべきである。
 

2012年6月11日月曜日

Donkey vs. Elephant


Illustrated by Kazuhiro Kawakita


 Donkeyは「ロバ」で、民主党(Democratic party)のマスコット。一方、Elephantは「ゾウ」で、共和党(Republican party)のシンボルマーク。ロバ対(vs.=versus)ゾウが激突するのは、民主・共和2大政党が政権を争う大統領選挙。4年ごとで、オリンピック開催年に行われる。選挙戦は1月のアイオワ州の党員集会を皮切りに各党の候補者選びがスタート、8月下旬から9月にかけて各党の全国大会で候補者を決定、11月の本選挙で米国の大統領が選出される。
 民主党のDonkeyは、元はassと言った。donkeyの語源については、18世紀後半の俗語dun(brown=茶色)にmonkey(サル)の-keyが付いて「茶色のヤツ」になったとの説がある。assは古英語のロバ。1828年の大統領選挙で、第7代大統領になるアンドリュー・ジャクソン(民主党)が、名前のJacksonにassを絡めて“jackass”(「雄のロバ」という意味)と呼ばれたのを逆手に取り、キャンペーンにassを使ったのが始まりという。
 ロバとゾウが対立する構図は、1870年代に遡る。コラムニストのウィリアム・サファイア氏の考証によると、漫画家のトーマス・ナスト(1840~1902)がハーパーズ・ウィークリー誌の1874年11月7日号に、ライオンの皮を被ったassが森の動物を脅かすマンガを描いたのが始まりという。当時、南北戦争で北軍の最高司令官として活躍したグラント将軍(共和党)が第18代の大統領(在職1869~77)を務めていたが、民主党を支持する新聞は、グラントの3選阻止に向けてCaesarism(専制主義)と批判した。ナストは、その新聞のやり方をイソップ童話の“an ass in a lion’s skin”にたとえて、こけ脅しだと風刺。「民主党はロバ」と大衆に印象付けることになったという。以後、ロバは民主党の事実上のシンボルになった。もっとも、assは、「バカ」や「間抜け」など悪い意味合いで使われることが多いため、普通にロバを表わすdonkeyの呼び名に変わった。
 一方、共和党のシンボルマークのゾウは、実はナストの諷刺画の中で、ロバに脅されて逃げ回る森の動物の1つとして登場。その説明では、根も葉もない〝専制主義〟への加担に恐れをなして逃げ回るRepublican vote(共和党支持の有権者)を表していた。だが、その後、ゾウは有権者から党自体と見なされるようになった。
 さて、共和党員はDemocratic Donkeyを元のassとして「頑固」で「愚か」と見ているが、民主党員は「素朴」で「質素」、「賢く」て「勇気がある」と考えている。一方、民主党員はRepublican Elephantを「バカ」で「尊大」で「保守的」と見ているが、共和党員は「威厳に満ち」、「強く」て「賢明」と考えているそうだ。
 いずれにしても、自分は賢明で正しく、相手は愚かで間違っている、というのが民主・共和2大政党の共通の主張であるようだ。The Sankei Shimbun(January 6 2008)「グローバル・English」はこちらへ

2012年6月10日日曜日

umami


Illustrated by Kazuhiro Kawakita


 umamiの語源は「うま味」「旨味」。日本語から英語に転用された言葉の1つ。米国の辞書ではsavory(風味のよい)とかmeaty(肉の風味の)とも英訳されることがあるが、ここでいうumamiは、アミノ酸の複合体の味覚。とくにa taste that is characteristic of monosodium glutamate(MSG=グルタミン酸ナトリウムに特徴的な味覚)と説明される。
 ウォールストリート・ジャーナル(2007年12月8日付)は、umamiを“A New Taste Sensation”(新しい味覚の衝撃)と報じた。また、米公共ラジオ(NPR)も2007年12月13日の番組で、sweet(甘味)、sour(酸味)、salty(塩味)、bitter(苦味)に続く“the fifth taste”(第5の味覚)としてumamiが注目されている、と紹介した。なぜ今、「うま味」なのか?
 umamiは、1908年に東京帝国大学の池田菊苗教授が、だし昆布から発見。味の素が最初に主要成分であるMSGを製造・販売した。いわば日本が生みの親。MSGはかつて「化学調味料」と呼ばれ、現在は「うま味調味料」となった。日本からアジアや欧米に急速に普及し、現在北米だけで年間推定約9万5000トンのMSGが販売されているという。実際、外食産業から、スーパーマーケットに並ぶ加工食品やスナック菓子まで、MSGが幅広く使われているのは日米ともに同じ状況だ。
 一方、米国では1960年代から外食産業、とくに中華料理店でのMSGの大量使用が問題視され、MSGを過剰摂取して頭痛や顔面の紅潮、動悸、眠気などを引き起こすChinese restaurant syndrome(中華料理店症候群)が指摘された。米食品医薬品局(FDA)で調査・研究が行われ、1995年の報告書では、「何パーセントかの人はMSG摂取による症状が現われる場合がある」としながらも、〝安全な食品成分〟と認めている。
 欧米でもumamiの成分がフランス料理のブロス(魚や肉の煮汁)や、パルメザンチーズ、アンチョビー(イワシの油漬け)、完熟トマトなどに含まれていることは、かなり昔から知られており、呼び方はどうあれ、どんどん食べられてきた。
 だが、味覚としてのumamiの存在は、欧米では長らく認められず、おいしさはギリシャ時代以来の伝統に従い、甘・酸・塩・苦の4味の組み合わせによると考えられてきた。umamiが〝第5の味覚〟となったのは、21世紀の直前。2000年にマイアミ大学の研究者がまとめた報告書で、われわれの舌には従来の4つの味覚と区別してglutamateを識別できるレセプターがあることが分かったというわけだ。
 そこで、「うま味」は英語に翻訳できない言葉として、そのままumamiと表記されることになった。今やsushi(寿司)と同様にグローバル化の波に乗り、世界中で使われる日本語になり始めている。The Sankei Shimbun(January 13, 2008)「グローバル・English」はこちらへ

2012年6月9日土曜日

waterboarding


Illustrated by Kazuhiro Kawakita


 waterboardingのカタカナ読み「ウォーターボーディング」。元の形はwaterboard。surfboard(サーフボード)やsnowboard(スノーボード)などと似ているから、何かスポーツを連想しそうだが、共通点はboard(板)を使うことだけ。実は、CIA(米中央情報局)が過去数十年に渡って用いてきたprofessional interrogation technique(プロの尋問方法)の1つだ。
 その方法とは、まずboardに尋問する容疑者を仰向けに縛りつける。足の方が上がり、頭が下がるように固定。尋問者は、容疑者の鼻と口を布で覆うか、顔をセロファンで包んで、その上に繰り返し水をかける。容疑者は溺れ死ぬような感覚に襲われ、咽頭反射で窒息状態になり、パニックに陥って白状するという。waterboardingで実際に溺れ死ぬことはないとされ、外傷は残らない。だが、肺が破壊されたり、低酸素脳症になったりして、死に至ることもある。日本語に訳すと「板縛り水責め」といったところだが、waterboardingの字面からは容易にその方法を知り得ず、weasel word(イタチ言葉)の典型である。
 2001年の9.11中枢同時テロ以降、CIAは“Extraordinary Rendition”(特殊工作?)というプログラムを強化。テロの容疑者を拉致し、世界各地の秘密の収容所に移送したとされるが、warterboardingなどによる尋問は、そこで行われたという。ワシントン・ポスト(2007年12月9日付)によると、9.11を計画したとされるカリド・シーク・モハメドら、国際テロ組織アルカーイダの幹部の尋問にも使われたという。ところが、2007年12月に、CIAが尋問の際に撮影したビデオを勝手に廃棄していたことが明るみに出た。拷問による違法尋問の発覚を避けるために証拠隠滅を図った疑いが浮上。政治問題化するに至った。
米議会では、戦争捕虜への拷問を禁止したジュネーブ条約に違反する疑いのある行為だと批判が高まった。これに対してブッシュ政権は、テロリストを戦争捕虜とは認めず、waterboardingは拷問ではない、との論陣を張った。テロリストから情報を引き出すためには、人道主義的な取り扱いは無用で、厳しい〝尋問方法〟が必要だと主張したのだ。
 ところで、CIAの〝プロの尋問方法〟には、このほかattention grab(胸元をつかんで揺する)、attention slap(顔などを平手打ちする)、belly slap(腹を平手打ちする)、long time standing(手足を拘束したまま40時間以上にわたって立たせる)、cold cell(裸にしたまま寒い独房に立たせ、冷水を浴びせる)の5種類があるという。だが、CIAの工作員にwaterboarding を試したところ、平均14秒で降参したといい、最も〝有効〟な尋問方法と見なされている。
 waterboarding は、米国のスパイ活動の一端を垣間見ることができるのである。(January 20 2008)「グローバル・English」はこちらへ

2012年6月8日金曜日

Spanglish


Illustrated by Kazuhiro Kawakita


 Spanish(スペイン語)とEnglish(英語)を組み合わせた造語がSpanglish。カタカナ読みは「スパングリッシュ」。その名のとおり、スペイン語と英語が混ざり合った混成語のこと。ヒスパニック系住民のコミュニティーで使われる。
 ヒスパニック(Hispanic)は、中南米出身者を指すが、本来は「スペイン語を話す人」という意味。米政府が1980年の国勢調査から民族分類のための用語として使い始めた。米国のヒスパニック人口は2005年に4270万人となり、黒人(3970万人)を抜いて白人(1億9840万人)に次ぐ最大のマイノリティとなった。今では、全米各地の都市にbario(バリオ)というコミュニティーが形成され、スペイン語が話されている。barioの外は英語社会。英会話が必要で、バイリンガルを強いられるが、使い分けよりもむしろ混用が進んでいる。
 Spanglishの語を最初に使ったのは、プエルトリコのジャーナリスト、サルバドール・ティオ。1952年、米国からの英単語の流入で、プエルトリコのスペイン語が乱れているのを批判する記事の中で用いたのが初出という。
 Spanglishが生まれたのは、メキシコとの国境地帯や南カリフォルニア、ニューメキシコ、テキサス、フロリダ州などのヒスパニック・コミュニティーで、その後、中南米諸国に浸透していく。
 著名ジャーナリストのH.L.メンケンは著書“The American Language”(第4改訂版)で、20世紀前半から中南米でbaseball(野球)をbeisbol(ベイスボル)とスペイン語風に発音したり、“How much?”をjamach(ハマチ)とそのまま使用する例を挙げて、「純粋のスペイン語にない単語が多く使われている」と指摘している。
 さて、現在のSpanglishに関して、メキシコ出身の批評家イラン・スタバンス氏は、ニューヨークの街角や学校で約6000語を収集、“Spanglish”(2003年)として出版した。これは、初めてのSpanglish辞書だろう。その中で、クリスマスを意味するスペイン語のnavidad(ナビダゥド)の代わりに、英語からの〝音訳〟であるcrismasが用いられていることや、kodak(コダック)がカメラや写真、klinex(クリネックス)がティッシュペーパーを意味する普通名詞として使われていることなどを紹介している。
 スタバンス氏は、メキシコで生まれ米国へ移住し、スペイン語を母国語にしながら英語教育を受けた。Spanglishを“the verbal encounter between Anglo and Hispano civilizations”(アングロサクソンとヒスパニック文明の言語的な出合い)と定義。“It was only when I was already comfortable in both Spanish and English that I suddenly detected the possibilities of Spanglish.”(私が突然、スパングリシュの可能性を発見したのは、私がすでにスペイン語と英語双方のなかで快適だと感じたときのことだ)と語っている。The sankei Shimbun(2008.1.27 Engrish) 「グローバル・English」はこちらへ

2012年6月7日木曜日

barrel


Illustrated by Kazuhiro Kawakita


 barrelは本来「樽(たる)」を意味するが、ここでは原油(crude oil)の計量単位としてのbarrel(バレル)、つまりoil barrel。1バレルは42 US gallons(42ガロン)で、メートル法に換算すると約159㍑。barrelの省略形はbbl。bbl/d、bpdはbarrel per dayの略で、「1日当たりのバレル」という単位。
 国際石油市場で原油1バレルの値段は、2001年の9・11中枢同時テロのころ20㌦台だったが、今年初めには一時100㌦に達した。この原油高の原因は、基本的には需要と供給の関係による。つまり、石油資源は減る一方で、新たな発見は少なく、増え続ける需要に供給が追いつかない。ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン氏は、ニューヨーク・タイムズ(2008年1月4日付)で“Dealing With the Dragon”(竜=中国の扱いをめぐって)と題し、「新興国、とりわけ中国での石油の消費が急増している」と指摘。中国は今や世界の石油需要の9%、近年は世界の石油消費伸び率の3分の1を占める。“As a result, oil at $100 a barrel is, in large part, a made-in-China phenomenon.”(結果として、1バレル100㌦の石油は大部分がメイド・イン・チャイナの現象である)と述べた。
 US Energy Information Administration(米エネルギー情報管理局)によると、2006年の米国の石油消費量は2058万8000bbl/dで世界トップ。2位が中国(727万4000bbl/d)、3位が日本(522万2000bbl/d)と続く。世界最大の消費国は米国なので、〝メイド・イン・チャイナ説〟は自国の消費を棚に上げた身勝手な議論だが、米国ではこの説に賛同する人が多いようだ。
 さて、計量単位のbarrelは、採掘した原油を木製の樽に入れて運んだことに由来する。米国のペンシルベニア州で最初の油田を掘ったのは、エドウィン・ドレークという人物で1859年のこと。彼は洗い桶に保存したというが、1860年代になるとウィスキーや塩を入れる樽が使われるようになった。42ガロンの樽を使ったのは、J・D・ロックフェラーが1870年に設立したスタンダード・オイル会社。この樽が普及したのは、米国の税当局である内国歳入庁(IRS)が徴税の便宜のために後押ししたから。スタンダード・オイルは、米国内の石油精製・販売の約9割を独占、青いペンキで塗装したblue barrelがすっかり定着した。1911年に反トラスト法違反で会社は解散を命じられ、34の独立企業に分割されたが、blue barrelはその後も受け継がれる。
 もっとも、原油の輸送において、タンク車やパイプラインが現われるや、42ガロンの樽は瞬く間に時代遅れの代物になった。今では全く見かけることはない。それでも、国際相場で昔ながらのbarrelが生き続けているのは、石油産業では決して他国の自由にはさせない、という米国の頑固な意志の表れであるように思えてならない。The Sankei Shimbun (February 3 2008)  「グローバル・English」はこちらへ