2009年3月12日木曜日

expired food

Illustrated by Kazuhiro Kawakita
expireは「期限が切れる」という動詞で、expiredは過去分詞形。foodは「食品」。そこで、expired foodは「期限が切れた食品」。カタカナ読みは「イクスパイァド・フード」。
 MSNBCのニュース(2009年2月12日付)は、“21 Stores Fined For Selling Expired Food”(21店が期限切れ食品販売で罰金)と報じた。ニューヨーク州ウエストチェスター郡の消費者保護局がこの冬、郡内の46のスーパーマーケットを査察した結果、半数近い21店で平均35品目の“perishable food past its expiration date”(期日を過ぎた〝生鮮食料品〟)を販売していたことが判明。総額で5万9600㌦の罰金を科したという。店側は、例によって、“We take this issue very seriously.”(この件を真摯に受け止めている)とのコメントを発表、再発防止に努めて行くそうだ。
さて、販売されていたexpired foodの「期日」にはどんなものがあったのか?
 米国でも“food safety”(食品の安全)は大きな社会問題で、農務省や食品医薬品局(FDA)が詳細な表示規定を設けている。まず、「賞味期限」に当たるのがBest-If-Used-By Date。「何日までに使えばベスト」という意味。ちなみに英国などでは、“Best-Before Date”(何日以前はベスト)という。
 農務省のガイドラインでは、Best-If-Used-By Dateは食品の安全期日を示すものではない。つまり、この日付を過ぎれば、品質が劣化し、味は落ちるが、食べられないわけではないという。
これとよく似た表示がUse-By Date。こちらは、「何日までに使え」という日付で、一般的な「消費期限」といえる。ガイドラインによるとinfant formula(ベビー用ミルク)などは、これが安全期間のexpiration date(期限切れ日)を意味するので要注意。
 また、販売期限を示すSell-By Date(何日までに売れ)がある。これは日本では見られない表示だが、小売業者に店頭での販売期限を示したもの。牛乳や卵などのパッケージに書かれており、その日付までに買って冷蔵庫に保存すれば、1週間程度は十分に持つ。
 ここまでは一応の原則だが、残念ながら実際のスーパーの棚に並ぶ商品が、かならずこの通りというわけではない。Best-If-Used-By DateとUse-By Dateを混同して使うなど、消費者の無知に付け込んでミスリードしたり、expired food を平気で販売する業者は後を絶たない。
そこで、“The bottom line: Trust your eyes and noses.”(肝心なのは、自分の目と鼻を信じること)。つまり、“If it looks bad and /or smells bad, toss it out.”(もし、見た目が悪くなっていたり、嫌な臭いがすれば、捨てなさい)。深刻な不況下にあり、もったいないと思う気持ちはよくわかるが、「食べて当たらなければ、消費期限内」というのは、危険なカケである。The Sankei Shimbun (March 2 2009)

 PS: アメリカでも日本でも、いまや不景気のど真ん中で、賞味期限切れの食品をそれと断って堂々と販売する店が人気を呼んでいる。そういう店を何というか?“salvage grocer”(サルベージ・グローサー)。salvageは「救出する」でgrocerは「食品販売」だ。そして、賞味期限切れや、その寸前の食品で、まだ十分食べられるものを“closeouts”(見切り品)と呼ぶ。日本のスーパーでも「見切り品」は、半額シールが貼って売られており、バーゲン・ハンターが集まる。アメリカでも事情は同じだ。そこで、こんな質問が出る。“Will you buy expired food for half off?”(あんたは、半額だったら期限切れ食品を買うかい?)。私の答えは“It depends on how expired and what it is”(どんな期限切れか、物は何かによる)