2013年1月4日金曜日

renewable 地球に優しい!

Illustrated by Kazuhiro Kawakita

 renewはre-(再び)+ new(新しい)で、日本語でも「リニュー」というように「再び新しくする」こと。able(~が可能である)という接尾辞が付くとrenewableで、「再び新しくできる」「更新できる」という形容詞。ここでは、科学用語としてrenewable energy(再生可能エネルギー)の意味で、名詞として使う。通常は複数形。
 renewablesは、sunlight(太陽光)、wind (風) 、rain(雨)、tides(潮)、geothermal heat(地熱)のほかに植物やエタノールなどのbiofuel(バイオ燃料)が含まれる今注目のエネルギーだ。一方、石油などfossil fuel(化石燃料)はnon-renewable resource(再生不可能な資源)という。
 renewable energyの問題点は、エネルギー生産に掛かるコスト。つまり、採算性が悪いことが普及のネックとなっている。
 ところが、Read the science (2013年1月2日付)のBlogでAmy Huvaさんは、"Renewable reality feasible and inexpensive"(再生可能エネルギーの現実、採算が合うし、安い)と書いているのだ。論点はこうだ。
 ‘Aiming for 90% or more renewable energy in 2030 in order to achieve climate change targets of 80-90% reduction of CO2 from the power sector leads to economic savings, not costs.’
 (発電部門において80から90%の二酸化炭素ガスを削減しようという気候変動の目標値を達成するために、2030年までに再生可能エネルギーへ90%以上転換を目指すならば、経済的にはコストではなく、むしろ節約ができる)という。
 すなわち、二酸化炭素を無制限に吐き出す従来型の発想からすると、renewablesの採算性は化石燃料などに劣るだろう。しかし、地球環境を考慮に入れるならば、再生可能エネルギーへの転換はコストなしで保全が可能になるだけでなく、お釣りが来るという。
 これはDelaware Technical Community CollegeのCory Budischak教授らの研究によるもので、Journal of Power Sources, 225, 2013に掲載された論文Cost-minimized combinations of wind power, solar power and electrochemical storage, powering the grid up to 99.9% of the timeを紹介したものだ。

 ところで、UPI通信(2011年12月20日付)は、“Germany used more renewables in 2011”(ドイツは2011年、より多くの再生可能エネルギーを使用した)と報じた。それによると、ドイツでは風力やbiomass(バイオマス)を中心に再生可能エネルギーの使用割合が、2010年の16.4%から昨年は19.9%に伸びたという。一方、“Nuclear power dropped from 22.4 percent in 2010 to 17.7 percent in 2011.”(原子力の割合は2010年の22.4%から2011年は17.7%まで下落した)。
 その要因の1つが、昨年3月の福島第一原子力発電所の事故。ロイター通信(同年3月14日付)が、“Japan crisis hits nuclear sector; boosts renewables”(日本の危機が原子力分野を直撃:再生可能エネルギーをテコ入れへ)と報じた記事を裏付ける結果となった。
 世界各国の政府は、リスクが大きい原発への依存度を下げ、再生可能エネルギーへの転換を模索し始めている。安全で、しかも環境保全に役立つ新たな発想を目指そう。
 

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