2011年11月11日金曜日

party crasher


Illustrated by Kazuhiro Kawakita

 partyはクリスマス・パーティーなどの「パーティー」。crasherは動詞形がcrashで、他の英語でいうとbreak in(押し入る)。crash a party は、文字通りでは「パーティーに押し入る」だが、招待されていないのにパーティーに押し掛けることを意味する慣用表現。その当事者がparty crasher。カタカナ読みは「パーティ・クラシャー」。
 さて、2009年11月24日、インドのシン首相を迎えてホワイトハウスで催された公式晩餐会に、中年夫婦のparty crashers(2人だから複数)が紛れ込んでいたことが分かり大騒ぎになった。この2人はバージニア州に住むサラヒ夫妻で、夫はタキシード、妻はサリー風の赤いドレスで正装、バイデン副大統領と記念写真に収まっていた。さらに、FOXニュース(11月28日付)は“Party Crashers Met Briefly with Obama”(パーティー・クラッシャー、少しの間オバマ大統領と面会)と報じた。
 ここで問題になったのは、party crasher が仮にテロリストだったらどうするのだ、そんなずさんな警備体制で大統領の身の安全が守れるのか、ということ。“The controversy over state dinner crashers has prompted the White House to order a ‘full review’ of the incident to find out how the Secret Service allowed such a security breach.”(公式晩餐会のクラッシャーをめぐる議論の高まりで、ホワイトハウスは、シークレット・サービスがどうしてそんなセキュリティの抜け穴を許したのか究明するために、事件の全面的見直しを早急に命じた)という。実際、大事に至らなかったのは不幸中の幸い、というべきだろう。
 一連の報道の中で、gate crasherという言葉も出てきた。パーティーに限らず、“the act of attending an invite-only event without invitation”(招待者だけの行事に招待状なしで参加する行為)をgate crashingという。gateは「門」だが、ここではイベントの受付口のこと。
 さて、party crasherの狙いは何か。今回のケースは、どうやら“to have pictures taken with famous people”(有名人と一緒に写真を撮ってもらうこと)のようだが、一般的に多いのはfree food and beveragesで、要するにタダでうまいものを飲み食いすること。
 そこで、“How to crash a party”(パーティーをクラッシュする方法)を伝授。まず“Dress well and stylishly.”(パーティーにふさわしい服装をする)。駐車場探しや飲酒運転を避けるため“Calling a cab is a great idea.”(タクシーを呼ぶのはいい考えだ)。そして重要なのは、“When you get to the party, walk in confidently and say hello to a few people as you enter.”(会場に着いたら自信満々で歩いて行き、入りがけに2、3人に「やあ、こんにちは」と声をかけること)。つまり、後になって“What nerve he’s got!”(なんてずうずうしいヤツだ)と言われるのが成功のコツだとか。The Sankei Shimbun (December 21 2009)

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