2011年11月21日月曜日

age barriers


Illustrated by Kazuhiro Kawakita

ageは「年齢」でbarrierは「障壁」。age barriersは「年齢の障壁」。障壁にはいろいろあるので、複数形をとることが多い。カタカナ読みは「エイジ・バリアーズ」。
age barriersは、若年にも老年にも存在する。若い方では、USA TODAY(2009年3月23日付)が“Judge: Lift Age Barriers on Morning-After Pill”と報じた。morning-after pillは事後に服用する経口避妊薬の“Plan B”。米国では、2006年から18 歳以上ならば処方箋なしで、店頭で購入できるが、ニューヨーク東部地裁の判事は、「直ちに17歳にも許可したうえで年齢障壁を取り払え」との判断を示した。FDA(食品医薬品局)は、これを受けて、年齢制限の撤廃について検討していくという。
年配の方に目を向けると、このところage barriersが高くなってきたのが、雇用条件。AP通信(2009年7月6日付)は、“Jobless Tackle Age Barriers in U.S.”(米国の失業者は年齢障壁と格闘)と配信した。米労働省の調査によると、55歳以下の失業者は再就職まで平均21週、それ以上では30週かかるという。高齢になればなるほど、再就職へのハードルが高くなるのは、日本と同じ。
法律上は、雇用におけるage discrimination(年齢による差別)は許されない。企業は、求人募集条件に年齢制限を設けることはできないし、応募者も履歴書に年齢を記す必要はない。しかし、実際には高齢者が応募しても、人事担当者が顔を見るや否や、“The people applying for this job are young.”(この仕事に応募してくる人は若いですよ)と容赦なく拒絶する、といったケースが頻繁に起こっている。そこで、再就職のために“Botox injections”(ボトックス注射)によって顔のシワを伸ばして、少しでも若く見せようと涙ぐましい努力をする中高年は少なくないという。
シカゴ・サンタイムズ(2009年7月9日付)は、“How Mature Men Can Beat Age Barriers to Hiring”(熟年はいかにして雇用の年齢障壁を打ち砕けるか)という記事を掲載。“Many employers believe seasoned workers will cost more and know less about technology.”(ベテラン労働者は賃金が高いわりに、ハイテクについて知らない、と信じている雇用主が多い)ことがage barriersの大きな要因であると指摘した上で、これはまったくの偏見だ、と述べている。実際、50代、60代でも積極的に新しいことを学ぼうとする人は多いのだ。しかも、若い連中に負けない根性だってある。
米プロゴルファーのトム・ワトソンを見よ。今年の全英オープンで選手権では、世界ランク1位のタイガー・ウッズも、17歳の新鋭石川遼も予選落ちだった。だが、ワトソンは59歳という年齢で、大会史上最年長の優勝を狙い、最終ラウンドまで激闘。惜しくもプレーオフで敗れたとはいえ、堂々2位の成績を残したのだ。“Age is certainly not a barrier.”(年齢は決して障壁ではない)。The Sankei Shimbun (August 10 2009)

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