Illustrated by Kazuhiro Kawakita |
occupyは「占拠する」「占有する」という動詞。
この言葉を、米タイム誌(2011年12月7日付)はTop 10 Buzzwords(トップ10の流行語)の1位に選んだほか、米グローバル・ランゲージ・モニター(テキサス州)も12月6日、2011 Word of the Year(2011年の単語)に決めた。
NPR(米公共ラジオ)では12月7日、言語学者のジェフ・ナンバーグ氏が、“If the word of the year is supposed to be an item that has actually shaped the perception of important events, I can't see going with anything but occupy.”(その年の言葉が、実際に重要な出来事の概念を表したものとされるならば、私はoccupy以外に考えられない)と述べている。
9月中旬にニューヨークのウォール街にあるズコッティ公園で、若者を中心に失業問題の解決と格差社会の是正を訴える抗議デモが起こり、“Occupy Wall Street”(ウォール街を占拠せよ)がスローガンとなった。その主張は“We are the 99%.”で、最も裕福な1%の金持ちが富を独占し腐敗していることに、99%の一般大衆が抗議するというもの。これが、occupy movement(占拠運動)となり、Occupy Boston(ボストンを占拠せよ)、Occupy Los Angeles(ロサンゼルスを占拠せよ)など、あっという間に全米に波及。さらにOccupy London(ロンドンを占拠せよ)、Occupy Hong Kong(香港を占拠せよ)と、世界中に拡大した。10月15日付のAFP通信によると、フェイスブックやツイッターでglobal protests(地球規模の抗議)の呼び掛けがあり、同日に北米、中南米、ヨーロッパ、アジア、アフリカの82カ国、951都市で同様の抗議デモが行われたという。
タイム誌は、“In 2011, occupy became this generation's sit-in, a word connoting peaceful but uncompromising objections to the status quo.”(2011年にoccupyは、この時代の人々の座り込み、現状に対して平和的だが妥協することのない反対の意味を含む言葉となった)と述べている。
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