Illustrated by Kazuhiro Kawakita |
Chindiaは、China(中国)とIndia(インド)を合成した言葉。両国をアジアの経済的パワーとして、一体で捉えようとする見解を反映したもの。カタカナ読みは「チンディア」。形容詞はChindian。
この語が欧米で注目され始めたのは、経済のグローバル化のなかで、中国とインドの経済発展が注目を集めるようになった2004年ごろから。とくに、インドのエコノミストで政治家ジャイラム・ラメシュ氏が著書“Making sense of Chindia” (〝中印〟を理解する=2005)で、中国とインドの協力関係への熱い期待を述べたことが大きい。
タイム誌(2011年11月21日号)は、“The Chindian Century”(〝中印〟の世紀)と題する記事を特集。“With so many of the world's economies in tatters, the combined might of China and India could spearhead global growth in the coming decades. Are they up to the job?”(世界の多くの国の経済がボロボロになる一方で、中国とインドが力を合わせれば今後数十年間、地球の経済成長を率先して引っ張っていけるだろう。両国は、その仕事に取り組むのか?)という内容である。
欧州の国家債務危機や先進諸国の景気低迷で、中国とインドに対する期待は大きく、こうした議論が起こるが、一方で否定的な見方もある。
とくに、両国民の間にある敵対意識。記事のなかで、“To the Chinese, the Indians were poor, superstitious and dirty; to the Indians, the Chinese were crass, godless — and dirty.”(中国人にとって、インド人は貧しく、迷信深く、汚かった。インド人にとって、中国人は粗野で、神を信じず、そして汚かった)と述べ、両国民がお互いに抱いている人種的偏見を紹介。さらに、中印国境紛争に見られるように、両者の間には根強い不信感があると指摘し、中国とインドの経済的な協力関係は、両国の著しい発展に比べると、思ったほどは進展していないのが現実だという。
インドが力強い“elephant”(象)のイメージであるならば、中国は激しく気を吐く“dragon”(竜)。両雄並び立つのは、容易ではなさそうだ。(December 5, 2011)
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