citiotはcity(町、都市)とidiot(バカ)を合成した造語。読んで字のごとしで、「都会のバカ」。地方から都会に来た人間をバカにして、country bumpkin、rube、hick(いずれも田舎者)というのと逆のケースといえる。カタカナ読みは「シティオット」。
ネットのUrban Dictionaryによると、”More commonly from New York City, citiots venture out to their summer homes in the Hamptons from Memorial Day to Labor Day.”(都会のバカは、とくにニューヨークから、メモリアル・デー=5月最後の月曜日からレイバー・デー=9月の第1月曜日に、ニューヨーク州ロングアイランドの避暑地ハンプトンズにある夏の別荘にやってくる)。They usually have fancy cars and are usually wealthy. They drive like they own the place, and they walk around town and in stores like they own them too.(たいていはいい車を持っていて金持ち。どこでも我が物顔に運転するし、町や店を自分の所有物のように歩き回る)とした上で、Citiots are very snobbish.(大変な俗物)と結論付けている。
ニューヨークマガジン(6月5日付)は、ハンプトンズに住むJoe Schwen氏のTwitterから、What is a "citiot"?
A few years ago, I saw a sweating woman in tights wearing a cell phone headset scream "I told you to make it with RICE MILK! RICE MILK! RICE MILK!" to a clerk at a juice bar.(2,3年前、ヘッドセットのケータイを耳に付けたタイツ姿の女性が、汗を流しながら、ジュースバーに駆けつけて、売り子に「言ったでしょう。ライス・ミルクで作ってと!ライス・ミルクよ、ライス・ミルク」と叫んでいるのを見た。)
ライス・ミルクとは、米から作ったミルク(豆乳のようなもの)で、女性は〝健康志向〟からそれを求めたのだろう。
My friend said to me, “citiot.”
こういう手合いは、ハンプトンズだけではなく世界中のリゾートや静かな田舎町で我が物顔に振る舞っては、地元の人の顰蹙を買っている。
だが、I am a citiotと、自ら謙虚に言う場合もあるので、使い方には要注意。つまり、その場合は、都会暮らしばかりで、田舎の生活や自然との触れ合いなどに無知であることを認めて、地元と融和しようという態度を見せる。こちらはまだしも可愛げがある。
だが、やはり都会と地方の格差は拡大するばかりなのが、現代のアメリカ。そこには、geographical divide(地理的格差)が厳然と存在しているのだ。
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