Illustrated by Kazuhiro Kawakita |
昨年来の経済危機でアメリカ人も、うちの会社は大丈夫だろうか、銀行の預金は、年金は、と心配の種は尽きない。そこで今、みんなが求めて止まないのが、reassurance。とくに、オバマ政権の景気対策への期待は大きい。
だが、ワシントン・ポスト(2009年2月27日付)は、“A Limited Dose of Reassurance”(安心感は限定的)との記事で、“Obama’s rhetoric was reassuring. But on the economy, many of us are only partially reassured.”(オバマ大統領の美辞麗句は元気付けるものだったが、経済に関してわれわれの多くは、半信半疑である)と述べている。
時間が経つにつれて、メディアの苛立ちが募り、その矢面に立ったのが、ガイトナー財務長官。南フロリダのサン・センチネル(2009年3月20日付)は、“No one is asking him to save the global economy in a month. What we’re asking for is reassurance that he can.”(誰もガイトナー長官に1カ月で世界経済を救ってくれと求めているわけではない。われわれが求めているのは、彼ができる、という保証である)。
ところで、すでに失業したり、退職金で買った株式が暴落して貯えを失ったり、住宅ローンが払えずに家を追い出されたりして将来に不安を抱える人々は、どこへreassuranceを求めるのか?
実は、占い師に頼る人々が増えているという。USA TODAY(2009年3月15日付)は、“Psychics Make a Fortune during Uncertain Economic Times”(経済不安の時に霊能者が一儲け)と報じた。盛況なのはpsychic(霊能者)だけでなく、astrologer(占星術師)、palm reader(手相見)、tarot card shuffler(タロットカード占い師)まで、fortuneteller(占い師)全般。
電話相談で〝占い〟をする予知能力者のネットワーク、「サイキック・ソース」のマリアン・フィードラー・マーケティング部長は、“We’re trying to ease their anxieties by offering ‘reassurance.’”(私たちは、元気付けることで、不安を和らげる)と話しており、再就職先や投資のアドバイスをするのではない、という。
つまり、みんなが求めているのは、こういう言葉である。“Your life isn’t over. Things look really bad, but hang in there!Everything is going to be OK.”(あなたの人生は終わったわけじゃない。ものごとは本当に悪く見えるが、しかし、がんばれ!すべてうまく行くさ)The Sankei Shimbun (April 6 2009)
0 件のコメント:
コメントを投稿