greenは「緑」で、thumbは「親指」。アメリカの郊外の一戸建ちに住んでみると、垣根越しなどに、隣家の人から、“Do you have a green thumb?”などと聞かれ、思わず自分の手を見てしまうが、「あなたは庭いじりをなさいますか?」という意味。green thumbは、a natural skill for gardening(園芸の才)のこと。また、A person with this skill。英国ではgreen fingersという。
さて、Googleでgreen thumbをサーチすると、園芸の話題、とくに季節ごとの庭いじりのコツがずらりと登場する。米国は広大だから、地域ごとに天候も異なり課題も違う。プロのgreenthumbが課題に答えている。
これから、夏を迎えて暑い季節がやってくるが、大切なのがProperly wetting your plants(植物に適当な湿り気を)。Watering from the crown down can also help wipe out spider mites that tend to be prevalent in the summer.(植物の上の方から下に水やりをすると、クモの子供を一掃できるので、夏場にかけての繁殖を防げる)という。また、One to two inches of mulch really helps this time of year to keep your plants base cool.(落ち葉などで1-2インチ=3-6㌢の根覆いをすると、この季節には植物の根元を涼しく保てて、水分の蒸発を防げる)などなど。
ところで、ワシントンポスト(6月16日付)は、Michelle Obama: The first lady with the green thumb(ミッチェル・オバマ夫人は、園芸好きのファースト・レディー)と述べている。
彼女は最近、“American Grown: The Story of the White House Kitchen Garden and Gardens Across America”.(アメリカ育ち:ホワイトハウスのキッチンガーデンやアメリカの庭の話)という本を出版した。ところが、中でインタビューしているのは、土いじりなどおよそ縁がない政治記者のようで、大統領の再選に向けたプロモーションの話ばかりで、さっぱり面白くない。ファースト・レディーで、ホワイトハウスで園芸をしたのはエレノア・ルーズベルト以来である。
ただ、コラムの最後に、野菜好きで知られるオバマ夫婦にも嫌いな野菜がひとつあり、ホワイトハウスのキッチンガーデンにも植えてないものがあるという。
. “One thing the president and I, we don’t really like, are beets. We don’t have beets. We’re a no-beet garden. We believe there’s a beet gene. You either love beets or you hate ’em, and neither of us has the beet gene.”
それは、ビーツ。ロシアのボルシチに入っている真っ赤なあれである。