Illustrated by Kazuhiro Kawakita |
activeは「活発な」「活動的な」という形容詞。agingは「加齢」「年を取ること」。active agingは「活動的に年を取ること」。つまり、肉体的、精神的に活発なまま年を重ねよう、というわけ。日本語の「ピンピンコロリ」に一脈通じる言葉。
高齢社会の到来とともに、世界保健機関(WHO)もこの言葉を提唱するが、“The word ‘active’ refers to continuing participation in social, economic, cultural, spiritual and civic affairs.”(「活動的」という言葉は、社会、経済、文化、精神面、市民社会における出来事に参加し続けることを意味する)と積極的な意義付けをし、単にhealthy aging(健康的に年を取る)にとどまらないとしている。
また、2012年は“European Year for Active Aging and Solidarity between Generations”(活動的加齢と世代間連帯の欧州年)に設定された。とくに、active agingとして高齢者の雇用と社会参加、そしてindependent living(自立生活)を目指すという。
ところで本来、年を取るというのは、心身ともに活発でなくなるプロセスなのだ。それでも活発さを維持するのは並大抵の努力ではない。
“Active aging requires us to go on living life to the full no matter how differently.”(活動的に年を取るというのは、それぞれ生き方は違っても全力で生き続けることが要求される)と言った人がいるが、まずは、健康に努め、人に頼らないで自力で生活することを目指す必要がある。それがindependent living。この概念は、障害者の自立生活支援運動の形で1970年代のアメリカで提唱され、今や高齢者にまで拡張されて世界的なトレンドになってきた。
さて、active agingにとって何が一番大切だろうか?英作家オスカー・ワイルドは、こう語る。“When I was young, I thought that money was the most important thing in life; now that I am old, I know it is.”(若いころ、人生で金が一番大事だと思った。今私は年老いて、それを思い知る)
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