Safety pinは安全ピン。Safety Pin Movementは「安全ピン運動」。New York Times (2016年11月14日)は “Safety Pins Show Support for the Vulnerable” (安全ピンは弱者を支持する印だ)と題する記事を掲載した。
11月9日の米大統領選挙で、Donald Trump氏が第45代大統領に選出されることが決まってから、アメリカではトランプ支持者の人種・性差別などによる嫌がらせが表面化し、暴力沙汰にまで発展する事件が頻発している。これに抗議する運動として、胸に安全ピンを付けるのが、リベラル派の新たな運動として始まった。
“It’s a matter of showing people who get it that I will always be a resource and an ally to anyone and everyone who wants to reach out,” said Kaye Kagaoan, 24, a graphic designer from the Philippines who lives in Brooklyn. “When I saw it on Facebook, it was so simple. It resonated with me.”(NYT)
(これって、助けを求めているどんな人にでも、みんなに私が寄り添っていることを示せるじゃん。FBで見たとき、簡単じゃん、ガツンときたよね、とフィリピン出身のグラフィックデザイナーのKaye Kagaoan)
つまり“If you wear a hijab, I’ll sit with you on the train.” (もし、あんたがヒジャブ=ケープをかぶっていたら、電車の中で私が横に座ってあげる)“If you need me, I’ll be with you. All I ask is that you be with me, too.”(もし私が必要ならば、私はそばにいるよ。私が求めてることは、あなたがそばにいるということなんだ)イスラム教徒、移民、難民、女性、L.G.B.Tの人たちみんな、仲間だという印が安全ピンだ。
さて、この運動起源は、2016年6月26日、イギリスが欧州連合から離脱を決めた国民投票を受けて、Twitter user @cheeahsが人種差別に対して団結するために安全ピンを胸につけるキャンペーンをしたのが始まり、という。
「どこの家にも安全ピンはあるし、すぐに参加できる運動」です。
でも、Some Twitter users voiced criticisms of the safety-pin trend, calling it “slacktivism,” a word that blends “slacker” and “activism.” They expressed concern that wearing something doesn’t equate to action. (あるTwitterのユーザーは、こんなのslacktivismと、安全ピン運動を批判している。slackerは「怠け者」でactivismは「活動」で、こんなだらけたやり方で行動とは言えない)
でも、本当にそうだろうか?どんな運動でも最初は小さく、最後に世界を変える力になるのだから、バカにしてはいけない。