2012年2月22日水曜日

Money talks


Illustrated by Kazuhiro Kawakita


 moneyは「お金」でtalkは「話す」。“Money talks.”は「お金がモノを言う」という格言。カタカナ読みは「マニー・トークス」。日本のことわざでは「地獄の沙汰も金次第」というが、英語では“Money makes dogs dance.”(金は犬を踊らせる)などがこれに近い。
 2008年の米大統領選挙でも、Money talked。ニューヨーク・タイムズ(2008年9月5日付)は、“At McCain’s Convention, Big Money Still Talks”(マケインの大会で、大金がなおモノを言う)と報じた。共和党のマケイン上院議員が大統領候補に選出された党大会には、健康・医療品メーカー、ジョンソン・エンド・ジョンソンの跡継ぎで、億万長者のロバート・ウッド・ジョンソン4世がskybox(スカイボックス)に陣取り、一部始終を見守った。ジョンソン氏は、ブッシュ大統領の選挙の際も大きな役割を果たすなど、長年に渡る共和党のfat cat(大口献金者)。“For all of Mr. McCain’s efforts to purge the influence of money in politics, the big donors still wielded sizable influence over this convention.”(政治への金の影響を除こうとするマケイン氏の努力にかかわらず、大口の献金者がこの大会にかなりの影響を及ぼした)と皮肉った。
だが、政治献金の〝集金力〟では、ライバルの民主党大統領候補のオバマ上院議員が圧倒的に勝っていた。ロサンゼルス・タイムズ(2008年8月17日付)によると、“Obama fundraising total: $390 million”(オバマの資金調達、計3億9000万㌦)と報じた。これは、大統領選に名乗りを上げてから7月までの数字。マケイン氏がこの時点までに〝稼いだ〟のは約1億5300万㌦という。オバマ氏の集金力の秘密は、インターネットでの草の根キャンペーン。15㌦からの小額献金も受け付けたので、献金者は200万人以上になったという。それで公的資金の助成も断った。
 一方、ウォールストリート・ジャーナル(9月4日付)は、“McCain Top Fund-Raisers Set New Target”と報じた。fund-raiserは「資金調達者」で、マケイン氏の資金調達担当は新たな目標額を、選挙までの残り2カ月間で1億㌦と設定。マケイン氏はこれまで7500万㌦を調達、さらに公的資金8500万㌦を受けた。その後の運動資金は締めて2億6000万㌦になる、と試算した。これに対し、オバマ氏の総資金の目標額は4億8000万㌦。そして、選挙の結果はオバマ氏に上がったわけ。
 だが、こんな大金がいったい何に使われたのか?その大半は宣伝費。候補者について、ほとんどの有権者はメディアを通じて情報を得る以外にない。だから、視聴率の高いテレビ番組の広告スロットを買い取り、自己宣伝をするのが最も効果的というわけ。また、激戦になれば、相手の悪口を言いまくる“negative campaign”もメディアを通じて派手に行われる。とにかく、集会で大声を出すだけではダメ。みんなに聞いてもらうには、Money talks! The sankei Shimbun (September 21 2008)

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