Illustrated by Kazuhiro Kawakita |
カタカナ読みは「スラット」。語源は15世紀初頭にさかのぼり、「だらしのない女」としてkitchen maid(台所の下働き)を指した。転じて、「売春婦」とか「あばずれ」などの蔑称となった。ところが、最近では、“Slutwalk”(スラットウォーク)など女性の抗議デモの標語に登場、より積極的な意味で使われている。形容詞はslutty。
カナダのグローブ・アンド・メール(2012年5月25日付)は、“Hundreds march in Toronto Slutwalk to combat sexual violence”(性暴力と戦うため、数百人がトロント市で〝スラットウォーク〟の行進)と報じた。同市でSlutwalkが始まったのは昨年4月。女性への性暴力の対策を議論する集会で、“Women should avoid dressing like sluts in order not to be victimized.”(女性は被害に遭わないために、〝あばずれ〟のような格好を避けるべきだ)と、警察関係者が発言したのがきっかけ。性的暴行の被害に遭うのは、被害者側に原因があるとする見解に反発する形で運動がスタートした。“No matter what I wear, my body is not an insult.” (たとえ私がどんな服装をしようと、私の身体は侮辱の原因ではない)と主張する。
この運動はカナダから世界各国に拡大。ブラジルでは妊娠中絶の解禁など、各国が抱える女性問題を抱き合わせたフェミニズム運動に発展した。主催者側は、Tシャツにジーンズなどの普段着でのデモを奨励しているが、ビキニや超ミニスカートを着けた挑発的な姿の参加者もあり物議を醸した。
ニューヨーク・ポスト(2012年6月6日付)によると、ニューヨーク市のトップ公立高校でその日、“Slutty Wednesday”(スラッティな水曜日)と称し、生徒約100人が学校の服装規定に抗議してデモを行なった。校則では、女生徒に対して肩や腹部、背中を出すなど肌の露出が多い服装を禁じているが、「学校は勉強するところで、服装は重要ではない」と反発しているのだ。
これから夏にかけては気温上昇とともにsluttyな女性が増えるが、男は見ないようにするしかないか…。
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