resilienceは「復元力」「回復力」と訳される。語源はラテン語のresilireで、英語では rebound(はね返る)だが、“the power or ability to return to the original form, position, etc.”(元の形や位置などに戻る力や能力)と定義される。これは心理学的な意味でも使われ「逆境に負けない力」を指す。カタカナ読みは「リジリアンス」。
東日本大震災に関する英語メディアの報道で、日本の回復力に対する評価と期待が大きい。
ウォールストリート・ジャーナル(3月12日付)は、“Sturdy Japan”(不屈の日本)のタイトルで、“No country was better prepared for an 8.9 quake.”( M8・9の地震にこれ以上の備えをしていた国はない)と述べた。M8・9は実際にはM9・0と修正されたが、日本は最善の備えをしていたと強調。地震速報システムをはじめ、“After its disastrous Kobe earthquake in 1995, Japan instituted a multitude of reforms.”(1995年の阪神・淡路大震災の後、日本は多くの改革を制度化した)と指摘する。その上で、この大震災の後も、“Japan remains a great industrial power.”(日本は偉大な工業国であることには変わりない)と、その復元力を評価した。
ブルームバーグ(3月13日付)は、“Tokyoites Reeling from Quake Show Resilience with Daily Routine”(地震でよろめいた東京人は、日常の仕事に復元力を示す)と報じた。“The city has experienced more than 100 aftershocks following the main quake.”(都市は大地震の後100回以上の余震を経験した)が、その中で、取材を受けた男性社員のひとりは、“With all that’s happening, maybe I should propose to my girlfriend.”(こんなことが起こって、たぶん僕はガールフレンドにプロポーズすべきだろう)と話した。彼は、人生の重大な決断を考えたようだ。
今後日本は復興事業に直面するが、豪州紙オーストラリアン(3月14日付)は、“Japanese Resilience Helps Mammoth Rebuilding Job”(日本の復元力が壮大な復興事業を助ける)と報道。その中で、“The Japanese people have set about the recovery operation with a resilience, technical expertise and a capacity for organization that have served them well for generations.”(日本の人々は〝不屈の力〟と専門的技術、何代にもわたって人々を支えてきた組織力で、復興の仕事に取り掛った)と述べている。
また、USA TODAY(3月14日付)は、“From Past Tragedies Comes Japan’s Legacy of Resilience”(過去の数々の悲劇から生まれた日本の〝不屈の力〟という遺産)と報じ、日本人は、前世紀に津波や地震、原爆の悲劇から学んだ、と指摘している。
これらの評価は、日本への励ましでもある。“Hang in there, Japan!” (がんばれ、日本!)
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